研究課題/領域番号 |
22KF0237
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補助金の研究課題番号 |
22F20070 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
夛田 博一 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (40216974)
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研究分担者 |
BHATTACHARYA SHATABDA 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 2次元ハイブリッド材料 / 熱残留メモリ効果 / 2次元材料 / スピンクロスオーバー錯体 / 分子磁性 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代のメモリーやセンサーの構成要素としてスピントロニクス素子の開発が国内外で活発に行われている。異種物質間の接合界面を利用した素子の開発は、その組み合わせと構造制御による高機能発現に興味がもたれる。本研究では、グラフェンや遷移金属ダイカルコゲナイドなどの2次元層状物質に金属酸化物やクロスオーバー錯体を自己組織的に配置し、界面の接合様式や歪み、欠陥の密度が磁気特性に与える影響を検証し、スピントロニクス素子の設計指針を導出する。
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研究実績の概要 |
非磁性の2次元材料 MoS2 を化学修飾することで磁気的な特性が発現する。本研究では、2次元表面に分子や薄膜を固定化し、界面に発現する磁性の起源を考察することで、ヘテロ構造に基づく磁性材料の設計指針を導出した。 まず、平均 12 nm の Ni 微粒子を、MoS2 で玉ねぎ状に包み込んだ構造を作製し、MoS2 の層数による磁性の変化を確認した。新しく形成されたハイブリッドナノ構造は、巨大な交換磁気異方性を持つ負の磁化状態を示し、その磁気モーメントと保磁力の両方が温度に応じて可逆的に増加することを見出した。熱残留メモリ効果が観測され、ナノ磁気メモリデバイスへの指針が示された。 また、MoS2 表面上に、反強磁性のβ-NiOOH シートを結合させた系では、MoS2多層膜が高度に歪むことで、巨大な交換磁気異方性が発現することを見出した。β-NiOOHシートは、酢酸ニッケルの水溶液に尿素とポリビニルピロリドンを混合して作製し、水熱合成法で作製した MoS2 に静電相互作用で吸着させる。弱い反強磁性層と隣接する誘起されたフェロ磁性層との間の交換結合は、ほぼ室温で磁化状態の熱残留メモリ効果を示すほど強力であり、作製したハイブリッド材料は、垂直型接合を形成すると、低い動作バイアス電圧と高いON/OFF比を持つ不揮発性の2状態と磁気抵抗もヒステリシス示すことから、スピントロニクスへの応用も期待される。
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