研究課題/領域番号 |
22KF0249
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補助金の研究課題番号 |
22F22384 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡村 康司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80201987)
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研究分担者 |
ANDRIANI RIZKI 大阪大学, 大学院医学系研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2024年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 非天然アミノ酸 / イオンチャネル / 受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
脂質分子による神経伝達物質受容体の調節機構の解明は、てんかんや疼痛などの神経疾患や統合失調症や双極性障害などの精神神経疾患の克服において重要な基礎をあたえる。これまで脂質分子による調節機構の理解は、アミノ酸を変異させる技術によって大きく進展してきたが、異なる細胞での解析であるため二次的な影響が否定できないという問題があった。本研究では脂質が結合するアミノ酸分子の構造を光で変化させる技術を導入することによりこれを克服し神経伝達物質受容体の膜脂質による調節機構の理解を大きく進めることを目指している。
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研究実績の概要 |
HCKを用いてイオンチャネルにおけるPIP2の結合を光で操作できるかどうかを確認するため、PIP2結合にlysineが関わることが従来良く知られており、機能発現が安定しているマウス由来内向き整流性K+チャネルKir2.1分子を用いて解析した。マウスKir2.1のK188にはPIP2が結合することが知られており、クラゲ由来のKir2.1オルソログではこの部位がアスバラギンになっているためPIP2親和性が低く、チャネル活性が弱いことが知られている。 マウスKir2.1のK188にアンバーサプレッサーコドン(TAGコドン)を導入し、Deiters博士らが確立したtRNA(UAG-HCK)およびアミノアシルtRNA合成酵素をコードするプラスミドをアフリカツメガエル卵母細胞の核に顕微注入し、翌日Kir2.1 (K188TAG)のmRNAとHCKを細胞質に顕微注入して、1日後または2日後に、2本微小電極による膜電位固定法による、内向き整流性K+電流の電気生理学的計測を行なった。405 nmのUV光を照射し、計時的に内向きK+電流量の計測を行い、uncagingによるPIP2結合の回復過程を解析した結果、UV照射による電流量の有意な増加が確認された。この電流増加の程度は、細胞毎にばらつくことと、UV照射量に依存して生じることも明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、イオンチャネルへのHCKの組み込みと、uncagingによるPIP2結合の操作が可能であることが明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の目的である、ligand gated ion channelに、この技術を適用していく。まずは、リガンド結合にlysineが関わる分子をモデルケースとして用いて、uncagingのコンディションを検討する予定である。
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