研究課題/領域番号 |
22KF0353
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補助金の研究課題番号 |
22F22715 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
飯山 知保 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (20549513)
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研究分担者 |
PURSEY LANCE 早稲田大学, 文学学術院, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2024年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 燕京 / 遼金元時代 / 石刻 |
研究開始時の研究の概要 |
主要な研究成果は、10世紀から13世紀の燕京の都市史に関する7万字の英語単行書です。単行書の提案と2つのサンプル章が2023年度の終わりまでに出版社に提出され、他の章も草案段階で大幅に進んでいることです。単行書には、燕京の歴史を時代順に追った5つの章が含まれます。唐末から遼の併合と遼南京の成立、金の征服と金中都の成立、そしてモンゴルの征服と元大都の成立まで、北京地域の社会構造の「何が破壊されたのか?」、「何が置き換えられたのか?」、「何が生き残ったのか?」など研究課題に対して探ります。 全体としてこの研究は、元朝までに燕京地域の歴史的な重要性、または中古ユーラシア東部の都市社会についての理解を深めます。
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研究実績の概要 |
東京に到着し、研究環境をととのえてから、予定通りに研究を進展させ、石刻史料の整理と分析を行った。その成果は、次に挙げる何回かの研究発表と、2023年6月に行われる研究発表、そして現在執筆中の専著の中のいくつかの章として具現化している。 出張と研究発表としては、2023年3月13日から4月4日にかけてアメリカに出張し、次の学会に参加し、研究発表を行った。①ハーバード大学に行われた「Tools of the Trade」というデジタル人文科学研究会参加(2023年3月14日から16日)、②アジア研究学会大会参加(ボストン、2023年3月16日から19日)、③CBDBミーティング(2023年3月20日から22日、あわせてハーバード大学Peabody博物館、Yenching Institute図書館、ハーバード大学博物館を調査)、④ペンシルバニア大学図書館調査(3月23日から25日)、⑤ワシントン大学図書館にてカール・ウィットフォーゲルの未公開の中国歴史プロジェクトの資料調査(3月26日から29日)、⑥SAA考古学会大会参加(3月30日から4月2日)。この間、複数の学会で行った研究発表では、関連する研究プロジェクトを運営する研究者たちから、多くの貴重なフィードバックを得ることができた。 この間、2023年6月22日から25日にYale Universityで行われる、Third Middle Period China Humanities Conferenceにおいて発表する論文"When a Kitan man tried to take the Liao imperial exam: The politics and culture of education in the Liao"を作成し、これを提出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナによる国際的な移動の制限が緩和された今、計画していた出張や資料調査をおおむね順調に行うことができたため。東京においては、研究拠点の構築が終わり、腰を据えて研究に取り組むことができている。このような中、当初予定していた論文や研究発表の原稿などを、予定していた通りに執筆・提出することができた。
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今後の研究の推進方策 |
この研究は「晩唐幽州から遼南京へ」、「遼南京から金中都へ」、「金中都から元大都へ」この三つ段階があります。2023年は最初の2つの段階を中心とします。2024年までに遼金燕京都市史の単行書の提案書とサンプルの章を学術的な出版社に出すつもりです。 同時に、私は「遼南京から金中都へ」に関する段階の資料を収集し分析を始めます。このプロセスは2つの形式があります。第一に、1120年から1153年の燕京の金朝征服期に関する資料を詳しく読む必要があります。第二に、人物誌分析で使用する金朝の碑文資料を収集および索引化し始めます。このプロセスには、研究代表者による主要な資料の推薦や金朝の碑文大量のナビゲーションなど、指導が必要となります。2023年10月から、主要資料を収集できて、金朝碑文資料の中から重要な資料を選択し、より詳細に研究しながら、「遼南京から金中都へ」について執筆しはじめるつもりです。これらの碑文と並行して、研究分担者は文人の作品、道教、仏教の著作など、金朝王朝の伝わる作品も調査します。2023年終わりまで、単行書の提案を書き上げました後で、出版社まで投稿するつもりです。 今までの初歩的な発見は、つまり2022年度の6か月間の研究成果、2023年6月にイェール大学の中古中国人文学研究会で発表される予定です。そのうえ、この主要なプロジェクトに重要ないくつかのサイドプロジェクトもあります。第一に、鳥居龍蔵氏の研究が中国考古学の発展に与えた貢献に関する論文の完成、第二に、モンゴルで行われている遺跡発掘プロジェクトに参加し、遼・金朝時代の辺境にある都市遺跡を調査することが挙げられます。 これらの追加プロジェクトを支援するために、私は徳島県の鳥居龍蔵博物館を訪れるための旅行を計画し、また、モンゴルの遺跡発掘調査に参加する可能性があります。両方とも2023年の夏に行われるつもりです。
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