研究課題/領域番号 |
22KF0360
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補助金の研究課題番号 |
21F21006 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 (2023) 奈良大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
リュウ ソンウク (2023) 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, アソシエイトフェロー (30823918)
今津 節生 (2021-2022) 奈良大学, 文学部, 教授 (50250379)
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研究分担者 |
RYU SUNGWOOK 奈良大学, 文学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2023年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | モンゴル / 古代顔料 / 東アジア / 古墳壁画 / 出土遺物 / 材質分析 / 文化財科学 / モンゴル帝国 / 彩色材料 / 顔料 / SEM / XRF / XRD / 保存科学 |
研究開始時の研究の概要 |
有機物は歴史の中で朽ち果てるが、鉱物の粉を用いる顔料は埋蔵された遺跡の中でも色鮮やかに残る。遺跡および遺物に付着した顔料の科学的調査研究は、古代国家間の文化交流を探る鍵となる。モンゴルは、長年に渡る中国との争いと交易やモンゴル帝国の興亡と東西交流など、東アジアの歴史を解明する上で重要な地域である。顔料の科学的研究は非破壊調査や同位体比研究など、日本が東アジアの研究をリードしてきた。 本研究では、モンゴル草原地帯の発掘調査に同行して現地で試料を採取し、日本で分析化学的な調査研究を進めることによって、モンゴル国で発見された彩色顔料を通して東アジアの文化交流の解明を目指している。
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研究実績の概要 |
本研究は東アジアの顔料の歴史を解明することを目的としている。彩色材料としての顔料は、古代より様々な種類が使用されており、遺跡および遺物の顔料の科学的調査研究は、古代国家間の文化交流を探る鍵となる。本研究の対象とするモンゴルは、長年に渡る中国との争いと交易、モンゴル帝国の興亡と東西交流など、東アジアの歴史を解明する上で重要な地域であるにも関わらず、これまで顔料の分析科学的な研究は行われておらず、東アジア各国の研究の中で空白地域であった。 2023年度には、前年度までの現地調査により採集したモンゴル地域の顔料試料を対象に、日本の研究機関で成分分析等の科学的調査を行った。調査の結果、以前の調査で確認された古代モンゴルにおける鉛系顔料の使用に関する新しい事例をはじめ、仏像(塑像)における金を用いた彩色などの新しい事例が確認された。2023年10月にはモンゴルの現地調査を実施し、16世紀のツビラ仏教寺院の遺物に対する顔料試料採集、7世紀ショロンバンバガル古墳壁画に対する現場調査と彩色顔料の採集、現世のモンゴル現地鉱物の調査による顔料製作の可能性に対する研究などを行った。 2023年の採集試料については、現在科学的分析を行っている。 本研究の研究期間中に実施した現地調査と科学的分析を通じて、過去にモンゴル地域で使われた彩色顔料の編年のための追加データベースを確保することができた。これは東アジアの文化交流にも直接・間接的に大きな影響を及ぼした古代モンゴルの美術文化と国際的な役割に関する推定を可能にする資料となる。モンゴル地域は現在まで彩色材料の研究において注目されていないが、歴史的なその地理的重要性を勘案すればアジアの文化を研究する上で欠かせない。したがって、本研究を通じて調査が行われなかった一部の時代については、今後も追加研究を継続的に実施する必要がある。
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