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日本近世(江戸・徳川時代)思想史における『孟子』の受容・評価とその影響

研究課題

研究課題/領域番号 22KF0371
補助金の研究課題番号 22F21710 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分外国
審査区分 小区分01040:思想史関連
研究機関国際日本文化研究センター

研究代表者

伊東 貴之  国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (20251499)

研究分担者 ZHANG XIAOMING  国際日本文化研究センター, 研究部, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード日本近世儒学史 / 朱子学 / 山鹿素行 / 『孟子』 / 義理の弁 / 五山禅林 / 黄檗宗 / 隠元隆琦 / 『四書大全』 / 古学 / 伊藤仁斎 / 荻生徂徠
研究開始時の研究の概要

江戸・徳川時代には、儒学の四書(『論語』『大学』『中庸』『孟子』)の一つとして『孟子』は広く読まれ、数多くの註釈作業の対象となった。特に朱子学(藤原惺窩・林羅山・佐藤一斎)、古学(山鹿素行・伊藤仁斎・荻生徂徠)、懐徳堂(三宅石庵・中井竹山・中井履軒)及び陽明学(中江藤樹・吉田松陰)などの学派の解釈である。
それらは、当時の東アジアの学術動向とも相互に連関しており、四書の注釈史を通して、思想・学術が展開した側面は見逃せない。本研究では、その中で、特に『孟子』に焦点を当てて、江戸・徳川時代の学術・思想の展開の具体的な様相を明らかにしようと試みるものである。

研究実績の概要

本年度の主要業績は、主として以下の二つの方面に亘っている。
まず、第一には、日本近世(江戸・徳川時代)の儒学史に関する研究で、取り分け、山鹿素行らの古学派において、『孟子』の義利の弁や「道の宜」「羞悪」の解釈などを通じて、朱子学的な理解やパラダイムを脱して、いわゆる儒学の日本化や多元化を果たしたこと、また、そこには「恥」の観念などを介して、武家社会の道徳的な通念やパラダイムが反映していることなどを論証した。
次いで、江戸時代初期の黄檗宗の受容に関して、当時の五山の禅林仏教と朱子学との関係性の狭間に置き直して、その受容や影響の原因や所以について、思想史的な考察を行った。近世(江戸・徳川時代)に入ってからも、五山の禅林仏教は、相変わらず、隆盛を極めていたが、その一方で、藤原惺窩や林羅山らのように、禅仏教から朱子学へと転向した禅僧らも存在した。翻って、何故、外来の黄檗宗が、徳川政権に認められて、日本社会にも定着したか、といった問題に関して、主に「臨済正宗」「禅浄兼修」「大本之孝」という三つの観点から、隠元隆琦の思想を分析して、黄檗宗の越境と共生の所以やその戦略と方法について、考察を加えた。
研究期間の全体を通じて、実施した研究の成果としては、概ね以下の三点に集約される。(1)まず、山鹿素行、伊藤仁斎、荻生徂徠など、いわゆる古学派や古文辞学派の儒学者による経書解釈を素材として、朱子学的なパラダイムの超克や儒学の日本化などと称される傾向について、更なる解釈や独自の考察を行った。(2)併せて、日本における『四書大全』『五経大全』などの伝播や受容の実態についても、調査を行った。(3)次いで、中世の禅林から、近世初頭の黄檗宗の受容に至る、五山を中心とした禅仏教の様相と展開に関して、そこでの儒学や朱子学の兼修、更には、禅仏教から儒学・朱子学へとも称すべき流れも踏まえて、俯瞰的な考察を試みた。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 明代蘇州坊刻《四書大全》在日本江戸時代的傳播及影響:以徐九一太史訂正金(門+昌)五雲居藏版為中心2024

    • 著者名/発表者名
      張暁明
    • 雑誌名

      漢籍與漢學

      巻: 1 ページ: 24-35

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本近世“義利之辨”的詮釋理路:道之宜、羞惡、公利2023

    • 著者名/発表者名
      張暁明
    • 雑誌名

      東疆學刊

      巻: 4 ページ: 9-16

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 黄檗宗在江戸時代的越境與共生:以隠元隆琦為中心2023

    • 著者名/発表者名
      張暁明
    • 雑誌名

      佛學研究

      巻: 1 ページ: 328-340

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 漢化佛教東傳日本的“絲綢之路”文化傳播史意義:從敦煌到奈良2023

    • 著者名/発表者名
      張暁明
    • 雑誌名

      國際漢學研究通訊

      巻: 26 ページ: 21-42

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本の『孟子』受容史考論―中世禅林から近世儒学まで2022

    • 著者名/発表者名
      張暁明
    • 雑誌名

      漢籍輿漢学

      巻: 1

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 儒学日本化の一つ典型―古学からの『孟子』評価を中心に2022

    • 著者名/発表者名
      張暁明
    • 雑誌名

      日本学研究

      巻: 33

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 重新審視山鹿素行の日本思想史地位―臨界と転向の二重意味2022

    • 著者名/発表者名
      張暁明
    • 雑誌名

      日本問題研究

      巻: 5

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 山鹿素行思想における『孟子』受容について2024

    • 著者名/発表者名
      張暁明
    • 学会等名
      求真会シンポジウム:日本近世思想と近代
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 東アジア文化交渉学における日本中世の朱子学2023

    • 著者名/発表者名
      張暁明
    • 学会等名
      東アジア思想文化の伝承と発展シンポジウムー中華日本哲学学会2023年年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 伊藤仁斎における『孟子』の解釈について2022

    • 著者名/発表者名
      張暁明
    • 学会等名
      東アジア漢学研究学会「2022年度東アジア漢学国際シンポジウム」
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 『鼇頭評注四書大全』と江戸四書学の展開2022

    • 著者名/発表者名
      張暁明
    • 学会等名
      中華日本哲学学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-07-28   更新日: 2024-12-25  

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