研究課題/領域番号 |
22KF0374
|
補助金の研究課題番号 |
21F20307 (2021-2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
|
研究機関 | 公益財団法人東洋文庫 |
研究代表者 |
吉水 千鶴子 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (10361297)
|
研究分担者 |
GAZANGJIE gazangjie 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 外国人特別研究員
GAZANGJIE 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 外国人特別研究員
GAZANGJIE 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2023年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2022年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2021年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
|
キーワード | チベット / 日本におけるチベット研究史 / チベット留学生 / 河口慧海 / 多田等觀 / 中根千枝 / ダライラマ13世 / 東洋文庫 / 多田等観 / 青木文教 / 寺本婉雅 / 日本とチベット / チベット研究 / 北村甫 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本語、チベット語、中国語の多言語資料を用いて、近代アジアの政治情勢を踏まえて日本とチベットの関係を、留学生の往来や仏教を通した交流に焦点をあてて俯瞰的に考察し、また日本と中国においてチベット学がどのように起こり、発展したかという研究史を精査することによって、相互の影響関係や学術交流の歴史を明らかにするものである。
|
研究実績の概要 |
今年度は、主に日本におけるチベット学の誕生、発展の歴史や現状に注目し、日本のチベット研究史を全体的にまとめることを試みた。中国タル寺や青海省档案館、甘粛省档案、チベット自治区档案館、ポタラ宮古籍整理中心、ノブリンカ管理中心などで資料を収集し、併せてこれまでに収集した日本語・中国語・チベット語の資料を用い、近代アジアの政治形勢におけるチベットと日本との関係を押さえながら、戦前の河口慧海や多田等觀、青木文教、戦後東洋文庫のチベット研究の軌跡や研究成果などを整理した。そして、当時の13世ダライラマと日本の仏教界との交流、さらには、チベットからの留学生来日、日本からチベットへの留学生派遣という留学生交換によって相互理解が深まり、相互の仏教についての知識を得ることができた実態を資料から解明し、これが日本のチベット研究の誕生に大きく寄与したことを論じた。 その後の日本のチベット研究の発展は、1901年から1961年までにチベットへ入った河口慧海や寺本婉雅、能海寛、多田等観などがチベットから持ち帰った文献資料の研究に基づいている。そして、チベット仏教の経典翻訳、チベット仏教大蔵経目録の編纂、チベット語やチベット仏教の研究が行われ、彼らの弟子である山口益、羽田野伯猷、長尾雅人、佐藤長、北村甫、中根千枝、山口瑞鳳、星実千代などが、仏教、歴史、言語などの幅広い分野で成果を挙げた。この時代にも、亡命チベット人の学僧が来日し、東洋文庫などで研究に協力していたことから、背景には変わらず、チベットとの交流が日本のチベット研究を支えていたことが明らかになった。
|