研究課題/領域番号 |
22KF0400
|
補助金の研究課題番号 |
22F21404 (2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
吉田 稔 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, グループディレクター (80191617)
|
研究分担者 |
SARI NURMILA 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 外国人特別研究員
NURMILA SARI 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | ミトコンドリア病 / 解糖系 / TLAM / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、指定難病であるミトコンドリア病の患者由来iPS細胞を用いて、エネルギー代謝の根幹を担う解糖系の病態への関与を検証する。複数の患者由来iPS細胞株を用いて、どの程度の割合で解糖系が亢進しているか、代謝と解糖系関連代謝酵素発現の変化を評価する。新規のPFK1阻害剤TLAM等を用いて、解糖系阻害で患者iPSから分化した細胞系列での機能障害を回復できるか評価する。
|
研究実績の概要 |
ミトコンドリア病で最も重篤な類型であるLeigh脳症の原因遺伝子変異(Ndufs4 KO)を導入した疾患iPS細胞をゲノム編集で作製した。Ndufs4 KO iPS細胞から分化誘導した線維芽細胞において、TLAM投与がミトコンドリア呼吸を向上することを細胞外フラックスアナライザーで確認した。神経幹細胞に分化誘導した際も同様の呼吸の向上がみられた。Ndufs4 KO神経幹細胞では、野生型に比べてミトコンドリアネットワークが長くなり、分岐が複雑化した。TLAMの投与により、ミトコンドリアネットワークが野生型細胞の表現型に近づいた。神経幹細胞を神経細胞に分化させると、Ndufs4 KO神経幹細胞では多くの細胞で細胞死が生じた。TLAMを加えると、細胞死は起こらず、正常神経幹細胞と同等に神経細胞に分化した。また、ミトコンドリア病の症状を呈するNdufs4 KOマウスの寿命がTLAM投与により延長し、運動協調性も改善した。メタボローム解析によりTLAMが糖の流れを解糖系からペントースリン酸経路に変えることが示された。以上から、TLAM投与は解糖系酵素PFK1を阻害することでミトコンドリアの機能改善につながることが示唆される。
|