研究課題/領域番号 |
22KJ0003
|
補助金の研究課題番号 |
21J00210 (2021-2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
白男川 貴史 北海道大学, 触媒科学研究所, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 化学空間 / 逆分子設計 / 機能分子設計 / 構造安定性 / 平衡構造 / 量子アルケミー / 化学反応 / 触媒 / 原子化エネルギー / 電気双極子能率 |
研究開始時の研究の概要 |
化学反応を促進する触媒は、多くの化学工業製品の製造で必要とされており、文明社会の基盤を支える化学産業において高機能触媒の探索は重要である。化学合成法の発展により、様々な触媒が多様な機能物質合成のために開発されている。そこで、触媒開発を加速するために、「どのような触媒が所望の触媒機能をもつか」という設計指針が必要不可欠である。本研究課題では、電子状態理論に基づく非経験的かつ合理的な理論触媒設計法を開発し、高機能分子触媒の設計・開発を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、高機能触媒を設計する合理的かつ汎用的方法論の確立と高機能分子触媒の設計・開発である。本年度(2022)は、昨年度開発した機能分子設計法の応用と化学反応設計法の開発を行った。 機能分子設計法は、平衡構造の分子で占められた化学空間を効率的に探索し、機能分子を設計する。大きな化学空間における所望のエネルギー関連機能をもつ分子の設計を行った。31万分子種のBNドープフェナントレン誘導体の化学空間における分子設計に成功した。研究成果をまとめた論文を国際論文誌で発表した。 一般的物性の設計を低い計算コストで行うために改良した機能分子設計法を様々な化学空間に応用した。原子化エネルギーの設計では、最適化の改良が低い計算コストをもたらすことを示した。小さな化学空間において高い電気双極子強度をもつ分子の設計に成功した。大きく異なる平衡構造をもつ分子の化学空間への適用が難しいことを示した。分子設計法が物性計算の基盤にしている量子アルケミー法の電気双極子能率への適用性を明らかにした。研究成果をまとめた論文のプレプリントをChemRxivで公開し、論文を国際論文誌に投稿した。 機能分子設計法を実装したプログラムと量子アルケミー法のプログラムをGitHubで公開した。 化学反応・触媒設計を定式化した。大きな化学空間を探索して所望の化学反応・触媒を効率的に設計するためには、電子密度の核電荷と核座標に関する解析的微分が必要である。そこで、coupled perturbedコーン・シャム法に基づく効率的な解析的微分を定式化した。現在、解析的微分のプログラム実装を行っている。この改良により、数百万から数十億分子の化学空間の探索を行うことが可能になる。さらに、高次の微分を含めることが可能になり、物性計算・設計の精度も向上する。 複雑な環境における分子触媒の触媒反応機構解明を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度予定していた機能分子設計法の応用を行い、分子設計法の適用性と限界を明らかにすることができた。研究成果を論文としてまとめることができた。機能分子設計法を実装したプログラムもGitHubで一般に公開した。さらに、化学反応・触媒設計を定式化した。大規模な化学空間の探索に向けた方法論の開発も行うことができた。 以上のことから、研究は、おおむね順調に進展していると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
化学反応・触媒設計法の開発と応用に関する研究を推進する。
|