研究課題/領域番号 |
22KJ0009
|
補助金の研究課題番号 |
21J20107 (2021-2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高田 佑太 北海道大学, 理学院, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | K3曲面 / 格子 / 自己同型 / 力学系 / エントロピー / 超幾何群 |
研究開始時の研究の概要 |
一般化超幾何方程式のモノドロミー群をモデルにして得られる超幾何群は、一定の条件の下で格子、すなわち整数値の内積を備えた階数有限の自由加群に作用する。一方、K3曲面とよばれる、楕円曲線のある種の2次元版である複素曲面は、その中間コホモロジー群がカップ積を内積としてK3格子とよばれる格子となる。K3曲面上の自己同型はK3格子上の自己同型を誘導する。逆にK3格子にK3構造とよばれる構造を付加するとき、その構造を保つ自己同型はK3曲面上の自己同型に持ち上がる。このことを利用し、超幾何群がK3格子に作用する状況を考え、K3曲面上の自己同型を量産し力学系について研究する。
|
研究実績の概要 |
論文「Lattice isometries and K3 surface automorphisms: Salem numbers of degree 20」が国際学術誌 Journal of Number Theory から出版された.この論文は,与えられた多項式がユニモジュラー偶格子の自己同型の固有多項式として実現できるための局所大域的な障害を記述し,さらに,そのK3曲面の自己同型のエントロピースペクトラムの問題への応用を述べた E. Bayer-Fluckiger による仕事を拡張するものである.より詳しく述べると,Bayer-Fluckiger の議論を整理し,局所大域障害を改めて定式化し,さらに,素数2における局所的な議論を精密に行うことなどにより,与えられた多項式の定数項が-1である場合にも議論を適用できるようにした.そのエントロピースペクトラムの問題への応用として「20次のSalem数の対数はすべて非射影的なK3曲面の自己同型のエントロピーとして実現される」ことを証明している.この時点で,Bayer-Fluckiger による結果と合わせて,非射影的なK3曲面の自己同型のエントロピーとして実現可能なSalem数を決定する問題は,Salem数の次数が10または18の場合を除いて解決した. 本年度はさらに,上述の局所大域障害を組織的に計算する方法を述べたプリプリント「Characteristic polynomials of isometries of even unimodular lattices」を完成させた.このプレプリントでは,障害の計算の応用として,次数が10または18のSalem数の対数が非射影的なK3曲面の自己同型のエントロピーとして実現されるための必要十分条件をSalem数の最小多項式の言葉で与えている.
|