• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

修飾Cp金属錯体とキラル酸の触媒間水素結合を利用した不斉C(sp3)-H官能基化

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0025
補助金の研究課題番号 21J21168 (2021-2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2021-2022)
応募区分国内
審査区分 小区分33020:有機合成化学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

冨田 永希  北海道大学, 生命科学院, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワードC-H官能基化 / 不斉反応 / Ir触媒 / Re触媒 / Cp配位子 / エーテル配向基 / DFT計算
研究開始時の研究の概要

修飾Cp配位子を有する第9族遷移金属錯体は、従来のCp*錯体と異なる特徴的な選択性や反応性を示し、また、基質や他の添加剤との相互作用が可能な部位を導入することが可能なため、新規反応開発及び不斉反応開発の観点から魅力的な触媒であるといえる。本研究では、この修飾Cp配位子をIrへと導入した修飾CpIr錯体に着目し、本錯体の合成及び独自の反応性を探索するとともに、Cp配位子と不斉添加剤との2次的な相互作用を活用した不斉反応への展開を試みる。

研究実績の概要

これまでの研究において、CpAIr(III)錯体及びCpEIr(III)錯体の合成を行い、これらの錯体がC-H官能基化反応において独自の反応性を示すことを明らかとしてきた。しかしながら、これらの錯体は不斉反応への適用が困難であることがわかった。そこで、不斉反応への適用を志向した新たな錯体として、高原子価Cp*Re(III)錯体の開発を行うこととした。第7族遷移金属であるReを中心金属として有する本錯体は、高原子価第9族遷移金属Cp錯体と比較して余剰の配位場を1つ持つため、ここに不斉配位子を導入することで、C-H官能基化反応の不斉化を行うことが可能になると考えられる。この仮説のもと、低原子価Re(I)錯体から、新規高原価Cp*Re(III)錯体の合成を行った。続いて、本錯体を触媒として用いてC-H官能基化反応の適用反応系の検討を行った。しかしながら、これまでの検討において、本錯体が適用可能な反応系を見出すことはできなかった。そこで、別の適用反応系として、アレーンの官能基化反応を検討することとした。種々検討した結果、青色光照射下でCp*Re(III)錯体を触媒として用いることで、形式的なアレーン分子のベンジル位C-Hアルキル化反応が、低収率ではあるものの進行することを明らかとした。本反応では、Cp*Re(III)錯体とアレーン分子がη6アレーン錯体を形成することで反応が進行していると推測される。そのため、不斉配位子を導入することで、本反応の不斉化応用が可能であることが期待される。以上のように、当初想定していたCpAIr(III)錯体を用いた不斉C-H官能基化反応の開発は達成することができなかったが、その過程で二つの新規金属錯体の合成に成功し、それぞれが独自の反応性を示すことを見出した。今後、これらの錯体を用いた新規反応の開発や、その不斉化応用が進むことが期待される。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] An Electron‐Deficient CpE Iridium(III) Catalyst: Synthesis, Characterization, and Application to Ether‐Directed C-H Amidation2023

    • 著者名/発表者名
      Tomita Eiki、Kojima Masahiro、Nagashima Yuki、Tanaka Ken、Sugiyama Haruki、Segawa Yasutomo、Furukawa Atsushi、Maenaka Katsumi、Maeda Satoshi、Yoshino Tatsuhiko、Matsunaga Shigeki
    • 雑誌名

      Angewandte Chemie International Edition

      巻: early view 号: 21

    • DOI

      10.1002/anie.202301259

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 電子不足CpEIr(III)錯体の合成及びエーテルを配向基として用いたC-H官能基化反応への応用2023

    • 著者名/発表者名
      冨田永希、小島正寛、永島佑貴、田中健、杉山晴紀、瀬川泰知、古川敦、前仲勝実、前田理、吉野達彦、松永茂樹
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 電子不足CpEIr(III)錯体の合成及びエーテルを配向基として用いたC-H官能基化反応への応用2022

    • 著者名/発表者名
      冨田永希、小島正寛、永島佑貴、田中健、杉山晴紀、瀬川泰知、古川敦、前仲勝実、前田理、吉野達彦、松永茂樹
    • 学会等名
      第20回次世代を担う有機化学シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Synthesis of electron deficient CpIr(III) complex and their application for the ether directed C-H functionalization reactions2021

    • 著者名/発表者名
      冨田永希、小島正寛、永島祐貴、前田理、田中健、吉野達彦、松永茂樹
    • 学会等名
      第67回有機金属討論会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

URL: 

公開日: 2021-05-27   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi