研究課題/領域番号 |
22KJ0051
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補助金の研究課題番号 |
22J10487 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
萩原 成基 北海道大学, 情報科学院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 脳型ウェットウェア / 導電性ポリマー / リザバーコンピューティング / マテリアル知能 / 脳型情報処理回路 / 生体模倣 / 3次元LSI |
研究開始時の研究の概要 |
我々の脳は発達の過程において、無数のニューロン同士が軸索を互いに伸長させてシナプス結合を形成することで精巧な3次元ネットワークを形成する。このことに着目し本研究では、ワイヤー状に電解重合成長する導電性ポリマー材料の3次元配線技術を応用した脳型情報処理回路の実現を目指す。立体空間上に配置された電極を前駆体溶液に浸し、重合電位差を印加するだけで所望の電極間を配線し、シナプスの結合強度変化の如く抵抗値を制御する技術を確立する。電極を多数配列した集積チップを作製し、微細化に依存することなく小面積で機械学習を実装可能な脳型AIチップとしての価値を見出すことを最終目標とする。
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研究実績の概要 |
前年度では空間的に離れた電極間を導電性ポリマーワイヤーで高次元配線する技術を確立した。これを踏まえ、本年度では形成された導電性ポリマーネットワークの非線形な電気化学的ダイナミクスを利用した脳型情報処理を試みた。まず、ガラス基板上へ2次元平面内に形成された複数電極を前駆体溶液に浸し、重合電圧を電極間へ印加して導電性ポリマーワイヤーを重合成長させることでランダムネットワーク構造を形成した。形成したポリマーネットワークを電解質溶液または固体電解質で被覆したのち、1つの電極へ正弦波電圧を印加すると他電極から非線形な電圧応答が得られた。これは電解質中のカチオンが引き起こす一種のゲート効果に起因しており、本ネットワークが入力信号を非線形変換する能力を有していることを示唆している。 更に本研究では導電性ポリマーワイヤーのランダムネットワークを3次元立体構造へと拡張し、リザバーコンピューティング(RC)へとこれを応用した。多孔質性のクライオゲルへモノマー前駆体溶液を染み込ませ、電極として複数の白金線を挿入したのち重合電圧を電極間へ印加することで複雑な導電性ポリマーネットワークをゲル内部へ立体的に形成することに成功した。本研究ではこれを、入力情報を非線形変換可能な物理リザバーとして脳型情報処理に応用できないか検討した。生理食塩水を染み込ませたゲルへ17本の白金線を電極として挿入し、内3電極へランダムな時系列電圧信号を入力した。他14電極から非線形な電圧応答を読み出し、ソフトウェア上で重み付き線形和をとることでRCにおける出力を計算した。RCのベンチマークである線形記憶容量タスクを用いて物理リザバーとしての性能を評価したところ、内部にポリマーネットワークを有するゲルの方が持たないゲルに比べて高い線形記憶容量を有することが明らかとなった。
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