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不動態アルマイトの構造革新による長寿命アルミニウム材料の創製

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0073
補助金の研究課題番号 22J11632 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分26050:材料加工および組織制御関連
研究機関北海道大学

研究代表者

岩井 愛  北海道大学, 大学院工学研究院, 助教

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2023年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードアノード酸化 / アルミニウム / アルマイト / 耐食性 / 平滑化
研究開始時の研究の概要

本研究においては、四ホウ酸ナトリウムやメタホウ酸ナトリウムをはじめとする、従来アノード酸化に用いられてこなかった新規な塩基性電解質化学種を用いたアルミニウムのアノード酸化により、高い純度と高いバリヤー性を合わせもつ革新的なアルマイトの創製を目指します。昨年度の研究を通して、塩基性電解質化学種を用いて作製したアルマイトが、酸性電解質を用いた典型的なアノード酸化により作製したアルマイトと比較して2倍以上高い耐食性をもつことを明らかにしました。今年度は、上述のアルマイト形成プロセスを実用アルミニウム合金へ展開することを試み、高耐食性表面処理法としての実用化を目指します。

研究実績の概要

本研究においては、これまでに用いられてこなかった塩基性電解質化学種を用いて純アルミニウム板およびアルミニウム合金板のアノード酸化を行うことにより、アルミニウム表面に新規な化学的・物理的特性をもつ耐食性不働態皮膜(アルマイト)の作製を試みた。
本年度は、(1)四ホウ酸ナトリウム水溶液を用いた新規なアルマイト形成法を種々の実用アルミニウム合金板に適用するとともに、沸騰水中に浸漬して封孔処理を行う研究と、(2)メタホウ酸ナトリウム水溶液を用いて作製したアルマイトによるアルミニウム基板表面の平滑化を実施した。
A1050およびA3004合金を四ホウ酸ナトリウム水溶液に浸漬してアノード酸化を行うと、典型的なアルマイトに類似した垂直細孔と、合金中の金属間化合物の溶解により生じた直径数十ナノメートルの横方向の微細孔をもつ酸化皮膜が形成された。一方、A5052およびA7075合金を用いると、比較的低い電流密度においては上述の酸化皮膜が生成したが、高電流密度を印加するとアノード酸化中に試料表面で火花放電が生じ、結果として試料表面には無秩序な細孔構造をもつプラズマ電解酸化皮膜が生成した。すなわち、アノード酸化に供する合金種と印加する電流密度により、生成する酸化皮膜のナノ構造が大きく変化することを明らかにした。これらの酸化皮膜形成試料を沸騰水中に浸漬すると、酸化皮膜の細孔内部に水和酸化物が析出し、細孔が封じられたことから、さらなる耐食性の向上が見込まれた。
メタホウ酸ナトリウム水溶液を用いてアルミニウムのアノード酸化を行うと、皮膜底部が極めて平滑なアルマイトが生成する。このアルマイトを作製したのち溶解することにより、電解研磨を超える超平滑アルミニウム表面を形成できることを明らかにした。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] A Novel Polishing Process for Ultra-Smooth Aluminum Surfaces via Anodizing in Sodium Metaborate2023

    • 著者名/発表者名
      Iwai Mana、Kikuchi Tatsuya
    • 雑誌名

      Journal of The Electrochemical Society

      巻: 170 号: 7 ページ: 073506-073506

    • DOI

      10.1149/1945-7111/ace65a

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Chemical stability of porous anodic aluminum oxide in both acidic and alkaline solutions2023

    • 著者名/発表者名
      Iwai Mana、Kikuchi Tatsuya
    • 雑誌名

      Thin Solid Films

      巻: 771 ページ: 139784-139784

    • DOI

      10.1016/j.tsf.2023.139784

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 塩基性電解質を用いた陽極酸化による高規則ハニカムナノ構造をもつアルミナ皮膜の作製2023

    • 著者名/発表者名
      岩井愛、菊地竜也
    • 学会等名
      第9回材料WEEK「材料シンポジウム」ワークショップ
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ハニカムナノ構造をもつ酸化アルミニウム皮膜の作製と三次元複雑構造への応用展開2023

    • 著者名/発表者名
      岩井愛、菊地竜也
    • 学会等名
      第9回北海道大学部局横断シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 塩基性電解質を用いたアルミニウムのアノード酸化2023

    • 著者名/発表者名
      岩井愛、菊地竜也
    • 学会等名
      表面技術協会第38回ARS姫路コンファレンス
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Fabrication of highly ordered porous anodic aluminum oxide by anodizing in an alkaline sodium tetraborate solution2023

    • 著者名/発表者名
      Mana Iwai, Tatsuya Kikuchi
    • 学会等名
      International Conference on Surface Engineering (ISCE2023) & Regional INTERFINISH 2023
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 酸性・塩基性水溶液中において高い耐食性をもつアノード酸化アルミニウム材料の創製2022

    • 著者名/発表者名
      岩井愛、菊地竜也
    • 学会等名
      軽金属学会第143回秋期大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 塩基性電解質を用いた陽極酸化によるポーラスアルミナのナノ構造と化学的特性の革新2022

    • 著者名/発表者名
      岩井愛、菊地竜也
    • 学会等名
      電気化学会北海道支部50周年記念・記念式典・記念シンポジウム・記念若手発表会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] メタホウ酸ナトリウムを用いたアノード酸化によるアルミニウム表面の超平滑化2022

    • 著者名/発表者名
      岩井愛、菊地竜也
    • 学会等名
      一般社団法人表面技術協会 第146回講演大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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