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カスプ付きdivideを用いた直線配置の低次元トポロジー的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0114
補助金の研究課題番号 22J20470 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分11020:幾何学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

菅原 朔見  北海道大学, 理学院, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード超平面配置 / 代数曲線 / ディバイド / 4次元多様体 / Kirby図式 / 結び目理論 / ハンドル分解 / divide / カスプ付きdivide
研究開始時の研究の概要

超平面配置のトポロジーにおいて、複素超平面配置の補集合を調べることは重要な研究対象である。特に補集合は極小セル分割と呼ばれる効率の良いセル分割を持つことが知られており、実超平面配置の複素化補集合に対しては具体的なセル分割も知られている。しかしより精密な情報である微分同相型やハンドル分解は知られていない。これを次元の低い直線配置の場合に対して解明するのが本研究の目的である。また、直線配置のハンドル分解はKirby図式により記述される。Kirby図式を、divideの一般化であるカスプ付きdivideを用いて記述し、カスプ付きdivideを直線配置の低次元トポロジー的な研究へと応用する。

研究実績の概要

本年度は大きく分けて二つの内容を研究し、それぞれで結果を出すことができた。まず一つ目は、複素平面代数曲線の補集合の微分同相型に関する研究である。平面代数曲線は昨年度まで研究対象として扱った直線配置の一般化とも言える。直線配置の補集合の微分同相型の記述の際は直線配置の組合せ構造に強く依存しているため、そのままの手法を平面代数曲線へと一般化することはできない。そこで平面代数曲線の位相を調べる上で強力なツールであるブレイドモノドロミーのアイデアを使った。ブレイドモノドロミーの技術を精密化することで、微分同相型を記述することができた。本結果については論文を作成し、現在投稿中である。
二つ目は、実直線配置の複素化補集合のKirby図式の記述の際に用いた、カスプ付きディバイドの結び目理論的な性質の研究である。ディバイドは平面にはめ込まれた曲線を用いて結び目を表す方法のことである。ディバイドは平面代数曲線の特異点の位相の記述の際にA’Campoが導入したものであり、カスプ付きディバイドはそれの一般化である。本年度の研究では、カスプ付きディバイドから得られる絡み目の特徴づけを行った。カスプ付きディバイドから得られる絡み目はある条件を満たす対合のもと不変であるという対称性を持つが、逆にそういった絡み目が全てカスプ付きディバイドを用いて記述できることを示した。特に、強可逆結び目と呼ばれる性質のよい対称的な結び目は全てカスプ付きディバイドでかけるとわかった。本結果に関しても論文を作成し、現在投稿中である。
さらに上記以外に加えて、超平面配置の被覆空間や局所系係数ホモロジーに関する研究を進めている。最近は、孤立特異点における特異点に対応する、超平面配置のMilnorファイバーの境界の多様体に注目してその位相不変量の計算を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は代数曲線の補集合に対する微分同相型の記述や、カスプ付きディバイドの絡み目の特徴づけなど、昨年度終了時点で進行中であった研究を進めることができた。そのため、順調に進行していると判断している。

今後の研究の推進方策

これまで扱った平面代数曲線はすべてアフィン平面上で定義されたものを考えていた。本年度の結果を射影平面曲線へと拡張するなどして、より多くの代数的な対して微分同相型を具体的に記述する手段を考えたい。また、カスプ付きディバイドに関しては表すことのできる絡み目の特徴づけ、さらに表示法も与えることができているので、例えば強可逆結び目に関する結び目理論的に重要である性質をカスプ付きディバイドを用いて調べたいと考えている。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 6件、 招待講演 5件)

  • [雑誌論文] Z-local system cohomology of hyperplane arrangements and a Cohen-Dimca-Orlik type theorem2023

    • 著者名/発表者名
      Sugawara Sakumi
    • 雑誌名

      International Journal of Mathematics

      巻: 34 号: 08

    • DOI

      10.1142/s0129167x23500441

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Divides with cusps and Kirby diagrams for line arrangements2022

    • 著者名/発表者名
      Sugawara Sakumi、Yoshinaga Masahiko
    • 雑誌名

      Topology and its Applications

      巻: 313 ページ: 107989-107989

    • DOI

      10.1016/j.topol.2021.107989

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Handle decompositions and Kirby diagrams for the complement of plane algebraic curves2024

    • 著者名/発表者名
      菅原朔見
    • 学会等名
      接触構造、特異点、微分方程式及びその周辺
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 平面代数曲線補集合のKirby図式2023

    • 著者名/発表者名
      菅原朔見
    • 学会等名
      特異点論及びその周辺分野の深化と異分野への応用
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Divides with cusps and symmetric link2023

    • 著者名/発表者名
      Sakumi Sugawara
    • 学会等名
      JV2023 Quy Nhon Workshop "Topology of Singularities and Related Topics"
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 平面代数曲線補集合のハンドル分解とKirby図式2023

    • 著者名/発表者名
      菅原朔見
    • 学会等名
      日本数学会2023年度秋季総合分科会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 平面代数曲線補集合のハンドル分解とKirby図式2023

    • 著者名/発表者名
      菅原朔見
    • 学会等名
      4次元トポロジー
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Description of Kirby diagrams for plane curve complements via braid monodromy2023

    • 著者名/発表者名
      Sakumi Sugawara
    • 学会等名
      Hyperplane arrangements 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] カスプ付きディバイドと対称的な結び目2023

    • 著者名/発表者名
      菅原朔見
    • 学会等名
      結び目の数理IV
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Double coverings and integral local system cohomology of arrangements2023

    • 著者名/発表者名
      Sakumi Sugawara
    • 学会等名
      Combinatorics, geometry, and commutative algebra of hyperplane arrangements
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Double coverings and integral local system cohomology of arrangements2023

    • 著者名/発表者名
      Sakumi Sugawara
    • 学会等名
      Geometry and Topology Seminar, Hanoi Institute of Mathematics
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Divides with cusps and Kirby diagrams for line arrangements2022

    • 著者名/発表者名
      Sakumi Sugawara
    • 学会等名
      Arrangements in Ticino
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 超平面配置のZ-局所系係数ホモロジーとCDO型定理2022

    • 著者名/発表者名
      菅原朔見
    • 学会等名
      日本数学会2022年度秋季総合分科会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Double coverings and integral local system cohomology of arrangements2022

    • 著者名/発表者名
      Sakumi Sugawara
    • 学会等名
      Singularities, arrangements, and low-dim. topology II, JSPS-VAST Bilateral Joint Research Project Workshop
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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