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妊娠・授乳期の母親の脂溶性ビタミンの過不足が仔の脂肪組織の発達に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0135
補助金の研究課題番号 22J21953 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

加藤 美羅 (2023)  北海道大学, 獣医学院, 特別研究員(DC1)

鈴木 美羅 (2022)  北海道大学, 獣医学院, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2023年度)
配分額 *注記
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2024年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードビタミンA / ベージュ脂肪細胞 / 脂肪組織 / 血管新生 / 脱共役タンパク質1 / 脱共役タンパク質 / ビタミン / 妊娠期 / 授乳期
研究開始時の研究の概要

妊娠・授乳期における母親の栄養状態は胎仔や乳仔のみならず、仔の成長後の代謝機能や太りやすさにまで影響することが示されている。誘導型の褐色脂肪細胞であるベージュ脂肪細胞を誘導・活性化するとエネルギー消費量が増加し、肥満を抑制できることが明らかになっている。本研究では、妊娠・授乳期の母親のビタミンAおよびDの過不足に着目して仔の脂肪組織の形成と成長後の代謝能に与える影響を解明する。さらに、ベージュ脂肪細胞の幹細胞に焦点を当て、遺伝子修飾や増殖・分化能への影響を解析することでその詳細なメカニズムを明らかにする。

研究実績の概要

妊娠・授乳期における母親の栄養状態は胎子や乳子のみならず、子の成長後の代謝機能や太りやすさにまで影響することが示されている。誘導型の褐色脂肪細胞であるベージュ脂肪細胞を誘導・活性化するとエネルギー消費量が増加し、肥満を抑制できることが明らかになっている。
2022年度の結果から母マウスのビタミンAの欠乏が子マウスの離乳期のベージュ脂肪細胞の出現を抑制することが明らかになったため、2023年度はそのメカニズムを調べた。まず、雌マウスに通常食またはビタミンA欠乏食を与えて出産・哺育させ、20日齢の子マウスの脂肪組織を解析した。その結果、ビタミンA欠乏食群の子マウスでは血管新生の抑制を伴ってベージュ脂肪細胞の出現が抑制された。また、ビタミンAの活性代謝物であるレチノイン酸の受容体(RAR)の阻害剤を4-12日齢または12-20日齢の子マウスに投与して20日齢で脂肪組織を解析したところ、いずれもベージュ脂肪細胞の出現が著しく抑制された。しかし、血管新生の抑制は4-12日齢でRARを阻害した場合でのみみられた。よって、ビタミンAは生後早期の脂肪組織における血管新生に必要であること、ベージュ脂肪細胞の出現と血管新生は必ずしも一致しないことが明らかになった。また、ビタミンA欠乏食給餌による生体内のビタミンA含量の経時変化を調べるために、マウスにビタミンA欠乏食を与え、2週間ごとに血漿、肝臓、白色脂肪組織におけるレチノイド量を高速液体クロマトグラフ法で評価した。その結果、ビタミンA欠乏食を6週間以上給餌すると肝臓や白色脂肪組織のビタミンAが減少するが、全身のビタミンAは枯渇しないことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

乳子期後期のRAR阻害では血管新生の減少を伴わずにベージュ脂肪細胞が減少した。RAR阻害剤と血管新生促進剤または阻害剤を併用し、ベージュ脂肪細胞と血管新生との関連を明確にしようとしたが、食殺により子マウスのサンプル数の確保が困難であったため行うことができなかった。

今後の研究の推進方策

子マウスのサンプル数が確保できる見込みが立ち次第、RAR阻害剤と血管新生促進剤または阻害剤を併用し、ベージュ脂肪細胞と血管新生との関連を明確にする。また、母体のビタミンA欠乏食摂取によって、子マウスの離乳期のベージュ脂肪細胞の出現が抑制されたが、レチノール量の減少は有意でなかった。しかし、ビタミンAの主要な貯蔵形態であるパルミチン酸レチニルは顕著に減少した。パルミチン酸レチニルとベージュ脂肪細胞とベージュ脂肪細胞との関連についての報告はないため、今後はWTマウスおよびUCP1-KOマウスにパルミチン酸レチニルを投与し、ベージュ脂肪細胞の出現におけるパルミチン酸レチニルの作用を調べる。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Time-dependent changes in retinoids content in liver and adipose tissue after feeding of a vitamin A-deficient diet to mice2024

    • 著者名/発表者名
      KATO-SUZUKI Mira、OKAMATSU-OGURA Yuko、INANAMI Osamu、KIMURA Kazuhiro
    • 雑誌名

      Experimental Animals

      巻: 73 号: 3 ページ: 302-309

    • DOI

      10.1538/expanim.23-0123

    • ISSN
      0007-5124, 1341-1357, 1881-7122
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 哺乳類の寒冷適応における褐色脂肪組織の役割2023

    • 著者名/発表者名
      加藤(鈴木)美羅、岡松優子
    • 雑誌名

      低温科学

      巻: 81 ページ: 99-108

    • DOI

      10.14943/lowtemsci.81.99

    • ISSN
      1880-7593
    • 年月日
      2023-03-20
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 母親のビタミンA欠乏食摂取は子のベージュ脂肪細胞の出現を抑制する2023

    • 著者名/発表者名
      加藤(鈴木)美羅、岡松優子、塚田杏樹、二川瑛実、稲波修、木村和弘
    • 学会等名
      第166回 日本獣医学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 褐色脂肪組織の形成・増生時にビメンチンのチロシン残基がリン酸化される2023

    • 著者名/発表者名
      加藤(鈴木)美羅、岡松優子、玉越雪乃、坪田あゆみ、小林純子、木村和弘
    • 学会等名
      日本酸化ストレス学会 若手の会 フリーラジカルスクール2022
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 褐色脂肪組織の形成・増生時にビメンチンのチロシン残基がリン酸化される2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木美羅、岡松優子、玉越雪乃、坪田あゆみ、小林純子、木村和弘
    • 学会等名
      第59回日本生化学会北海道支部例会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ハムスターの褐色脂肪組織の生後発達に伴いビメンチンのチロシン残基がリン酸化される2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木美羅、岡松優子、玉越雪乃、坪田あゆみ、小林純子、木村和弘
    • 学会等名
      第165回日本獣医学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 褐色脂肪組織の形成・増生に伴いビメンチンのチロシン残基がリン酸化される2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木美羅、岡松優子、玉越雪乃、坪田あゆみ、小林純子、木村和弘
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 母体のビタミンA欠乏は仔のベージュ脂肪細胞の出現を抑制する2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木美羅、岡松優子、塚田杏樹、二川瑛実、木村和弘
    • 学会等名
      第43回日本肥満学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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