研究課題/領域番号 |
22KJ0136
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補助金の研究課題番号 |
22J21955 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45050:自然人類学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
北山 遼 北海道大学, 環境科学院, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 混群 / 霊長類 / グエノン / 腸内細菌叢 / 社会マイクロバイオーム / ゲノム / 遺伝子浸透 / ウガンダ / アカオザル / ブルーモンキー / ウガンダ共和国 / カリンズ森林 |
研究開始時の研究の概要 |
異種が単一の群れを形成する現象を混群と呼ぶ。競争関係にあるはずの異種が共存する混群は、動物の群れがどういうものかを考える上で重要な現象である。アカオザルとブルーモンキーはアフリカの複数地域で混群をつくるが、その理由はわかっていない。本研究では、ウガンダ共和国カリンズ森林に生息するアカオザルとブルーモンキーの混群を対象に、これまで注目されてこなかった集団遺伝学的な立場からこれを解明することを目的とした。2種は潜在的に交雑可能であり、混群が遺伝的な単位として機能する可能性がある。混群形成集団において、種間で適応的な遺伝子や腸内細菌を交換しているのではないかという仮説を立て、これを検証する。
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研究実績の概要 |
異種が能動的に集まってひとつの群れを形成する現象を混群と呼ぶ。本研究は、熱帯アフリカの複数地域で混群を形成することが知られているアカオザルとブルーモンキーの混群を対象に、種間での遺伝的な因子の交換という観点から、混群の形成メカニズムを明らかにすることを目的としている。ウガンダ・カリンズ森林での2022年度の野外調査(混群1群れを対象に実施)で集めた行動データ(同種間・異種間の個体間相互作用など)の解析、および非侵襲的に採取した糞便試料を用いた腸内細菌叢解析をおこない、行動と腸内細菌の関連について調べた。2023年度も、9月から翌1月までの5ヶ月間、カリンズ森林へと渡航し、追加の野外調査を実施した。2023年度調査では、3つの混群と1つのアカオザル単独群を対象に追跡調査をおこなった。野外調査に加えて、現地のカウンターパートとともに、首都のマケレレ大学にて、野外で収集したサルのサンプルから全ゲノム解析用のゲノムライブラリを作成した。本研究で得られた成果について、3件の口頭発表(3件とも招待ありのセミナーまたはシンポジウム)と2件のポスター発表(1件は上記の野外調査中の事例報告)をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の調査(混群1群れの追跡調査)結果を踏まえ、2023年度の野外調査では、より多くの個体や群れを対象にした調査をおこない、より網羅的な行動・遺伝データの収集をおこなうことを目的とし、これを達成することができた。また、2022年度より取り組んでいた、現地での全ゲノム解析用ライブラリの作成も完了させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度では、2022・2023年度におこなった調査・分子実験の結果を統合し、混群内・混群間における種間相互作用とゲノム・メタゲノム的特徴の関連を明らかにすることを目的とする。追加の実験・解析を実施し、これまでの結果をまとめ国際英文誌に投稿することを予定している。
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