研究課題/領域番号 |
22KJ0146
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補助金の研究課題番号 |
21J40117 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
有賀 夏紀 弘前大学, 人文社会科学部, 特別研究員(RPD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 宗教文芸 / 神道集 / 寺社縁起 / 神祇信仰 / 仏教儀礼 / 寺院資料調査 / 神仏習合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、主に真言宗寺院に所蔵される聖教(宗教関係資料)の調査・分析を通して、中世日本の宗教儀礼テキストの成立空間と思想基盤を明らかにし、寺院間の知のネットワークを解明することを目的とする。とくに東密の祈雨儀礼に関わる『龍王講式』や、「請雨経法」「水天供」等の祈雨法を基軸に考察を進める。また、宗教と文芸とをつなぐ南北朝期の唱導資料集『神道集』についても検討を加える。 具体的には、(1)「請雨経法」「水天供」などの祈雨法に関する次第類の収集・分類・分析、(2)『龍王講式』と関連資料に見える祈雨儀礼の考察、(3)『神道集』の精緻な読解等によって、テキストと儀礼との相関性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
最終年度の具体的な研究実績は次の通りである。 (1)『神道集』注釈書(『伝承文学注釈叢書』)刊行のため、本文校訂と注釈作業に従事した(巻五、巻六、巻十)。また『神道集』の神祇観を思想史的に位置づけるべく、昨年度の研究成果を発展させて同時代の他資料(『広疑瑞決集』『神本地之事』『諸神本懐集』)との比較検討を行った。これらの成果と博士論文をまとめた単著を2024年度に刊行するため、不足部分の執筆とまとめ作業を遂行した。これらを通じて『神道集』の再検討を進め、宗教文芸としての特徴や性質をより明確にすることができた。 (2)国際シンポジウム「世界にひらく日本宗教文化」(於北海学園大学)を早稲田大学日本宗教文化研究所(代表:吉原浩人教授)、北海学園大学・鈴木英之教授と共に開催し、「中世の神祇と三熱―『神道集』の神祇観を手がかりに」と題して報告した。本報告は「『神道集』と浄土系諸派の神道言説―神の分類と三熱をめぐって」(『北海学園大学人文論集』第76号)として執筆・公開した。 (3)香川県三豊市の大寧山護国寺覚城院における資料調査へ参加した。本調査は大阪大学・中山一麿招へい研究員が中心となって継続しているものである。調査では江戸中期の『秘蔵宝鑰』の注釈類や各種儀軌類を担当し、書写年代や奥書、伝来に関する調書を作成した。また弘前大学受託の青森県藤崎町堰神社関係資料調査に携わった。本調査は弘前大学・原克昭教授が中心となって進めており、今年度は目録作成作業を行った。これらの調査で学んだ地域資料調査の手段と活用方策は、今後の課題遂行に十分に資するものとなった。 研究期間全体を通して、新型感染症の影響により十全とは言い難い点もあったが、寺院資料の調査・分析によって中世儀礼テキストの成立空間と思想基盤を明らかにするという本課題の目的は達せられたと考えている。この成果は2024年度刊行の単著として公開する。
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