研究課題/領域番号 |
22KJ0155
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補助金の研究課題番号 |
21J00086 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森 昇志 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 天文学 / 惑星科学 / 原始惑星系円盤 / 磁気流体力学 / 惑星形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目標は、磁気流体力学を正しく取り扱うことで原始惑星系円盤の物理構造を解明し、地球型惑星の形成過程を明らかにすることである。原始惑星系円盤の物理構造は磁場の影響を受けている。そのため円盤の磁気流体数値計算を行い円盤構造を深く理解することで、惑星形成に適した円盤構造がいつ・どこに・どのように形成するのかを明らかにする。得られた結果は現在の惑星の組成などと比較することで、その妥当性を検証する。さらに最近の円盤観測結果との比較も行うことで、多角的な観測的検証がなされた、円盤構造形成から地球型惑星形成に至るまでの物理過程を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目標は、磁気流体力学を正しく取り扱うことで原始惑星系円盤の物理構造を解明し、地球型惑星の形成過程を明らかにすることである。原始惑星系円盤の物理構造は磁場の影響を受けている。円盤の温度構造は円盤の磁気流体力学に依存することが我々のこれまでの研究から示唆されている。本研究では円盤の磁気流体数値計算を行い円盤構造を深く理解することが目標である。
我々が開発した輻射輸送入り磁気流体数値シミュレーションの計算コードを用いて、原始惑星系円盤の内側領域を対象にしたシミュレーションを行った。まず、ホール効果と呼ばれる円盤内の磁場の働きに大きく影響する効果がない場合の計算を行った。その結果、従来の研究と整合的な結果が得られることを示した。次にホール効果を考慮した場合の計算を行った。ホール効果は円盤を貫く磁場の方向に依存してその振る舞いを変える。磁場と円盤の回転方向が揃っている計算の場合、円盤は強い非対称な円盤風の構造を示すことを発見した。この構造は将来の円盤観測と比較検討することで、検証することができる。可視光や赤外光の観測結果に対し解釈の可能性を与える重要な結果である。また大局的な磁場が円盤表面で曲がり、強い電流層を示すが、この加熱は円盤赤 道面をほとんど加熱しないことも分かった。これが磁場が反転した場合も同様である。これらの結果から、原始惑星系円盤の温度構造は、数auでも主に照射加熱によって決定されることが分かった。一方で照射加熱は円盤風が吹くことでより強くなることを発見した。 円盤磁場の向きが反対の場合、磁場が散逸してしまうことにより、円盤風の強度は小さくなる。また磁場の影響が弱くなったことで、照射加熱に起因する照射不安定が起きることも分かった。円盤の温度構造については磁場と円盤の回転方向が揃っている計算の場合と同じで、加熱が効かないことも分かった。照射加熱によって温度が決まる。
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