研究課題/領域番号 |
22KJ0159
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補助金の研究課題番号 |
21J00403 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
上島 淳史 東北大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 分配的正義 / 社会的選好 / 行動実験 / 社会心理学 / 分配 / 実験 / 資源分配 / 意思決定 / 自然言語処理 / 職業 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
限られた資源の分配は社会における重要問題である。資源分配場面では最不遇者の福利を配慮する傾向や平等性に配慮する傾向などが明らかにされている。ただし、これらの分配配慮と、現実社会の大規模集団を構成する人々が資源分配に対して持つ多様な分配配慮の関係は十分に明らかではない。本研究では、自然言語処理や大規模実験を活用した多様な分配決定を計測できる実験において、これまで発見されてきた分配配慮がどのように示されるのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
今年度の前半は、7月まで大規模ネットワーク実験の技術習得のために米国Yale大学の社会学部に滞在し、研究を遂行した。米国滞在中に約2000人の人々を実験参加者としてリクルートしたネットワーク上の集団意思決定に関するオンライン実験を完了することができた。帰国後も継続して実験データの分析を行い、年度後半に一般ジャーナルへの論文投稿が完了した。現在、1度目の査読が終了し、修正後再投稿を終えた段階である。 今年度の後半は、前年度から査読中であった論文の査読が終了したため、フィードバックをもとに論文の改稿を行なった。この論文では、3000人以上の人々から約30万の分配意思決定データを収集する大規模実験を行うことで、分配選好に意思決定のコンテクストが与える影響を明らかにした。フィードバックをもとに、分析に用いていた機械学習手法を改善し、別の心理学論文誌に投稿した。現在査読中の段階であり、今後フィードバックがあり次第対応を行う。 そのほか、研究成果の報告のため、日本心理学会第87回大会と日本社会心理学会第64回大会にてポスター発表を行い、先行研究に本研究を位置づけるうえで有益なコメントを得ることができた。加えて、年度末にかけて招待講演を行い、集団の合意形成の問題に対して機械学習を応用するアプローチについて専門家との議論を行なった。 本研究期間全体を通して、機械学習を利用した選好のより柔軟な推定、テクストデータから定量化できる選好の推定、既存の分配選好と探索的に発見された分配選好を組み合わせた推定など、人々が持ちうる資源分配に対する多様な選好を明らかにするという目標に対して接近できたと考えられる。
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