研究課題/領域番号 |
22KJ0172
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補助金の研究課題番号 |
21J20615 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
橋田 紘明 東北大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 無線通信 / IRS / 知能電波反射面 / 動的伝搬路制御 / 移動通信ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,各種の端末に対してIRSを用いて電波伝搬経路を柔軟に設計することで,電波遮蔽による通信性能の低下を克服した頑強な通信システムの実現を目的とする.具体的には,次の2点に焦点を当てた研究を推進する. (1)電波伝搬環境の変動に適応してIRSの反射特性を制御することを可能とするために,IRSを用いた通信における制御メカニズムを設計する. (2)電波伝搬環境に応じて反射特性を常に最適状態に調整することは困難である.そこで緻密な反射制御による通信性能の向上と制御時間の増大のトレードオフを考慮し,通信性能の向上と制御の効率化を両立させた反射制御手法の開発を行う.
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研究実績の概要 |
本研究では,表面の反射特性を変更することができる反射板である,IRS (Intelligent Reflecting Surface)を用いた無線通信システムの制御方法およびシステム構成方法に関する研究を行った.1年目は,疎な電波伝搬環境の情報を基にIRS を制御する方式を提案[2]した.さらにそれを土台として,伝搬路環境の変動に応じたIRSの制御方法を提案し,端末の移動によって生じる伝搬環境の変動量に基づき測定する伝搬環境情報の最適な選択と測定回数を定める方法を開発して伝搬路測定に要する時間を60%以上低減して制御を効率化し,IRS制御の環境追従性能の向上に寄与した.これらの検討結果を基に,2年目には機械学習による電波伝搬環境の学習に基づく伝搬路測定を必要としないIRSの制御方法について提案した.特に,IRSの制御や電波遮蔽物が電波伝搬空間に与える影響をAI(人工知能)に学習させることで最適なIRSの制御方法を探索するアルゴリズムの開発に成功した.これにより,従来は数千~数万以上の変数の最適化が必要であったものを,4変数のみで制御する新たなIRSの反射特性制御手法を開発し,制御の飛躍的な効率化を達成した.3年目には,機械学習に基づくアルゴリズムにおける,制御のシステム負荷が軽量であるという本提案の特色を生かし,IRSを複数の通信事業者で共用する方法についても有効な方法を提示した.
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