研究課題/領域番号 |
22KJ0208
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補助金の研究課題番号 |
22J00060 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齋藤 匠 東北大学, 医工学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生体医工学 / 分子生体計測 / バイオメカニクス / 生体分子計測 / 光褪色後蛍光回復法 / 分子張力センサー / 細胞力学 / グルコース代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞と力学という一見関係の無いように見える両者が、実は密接にかかわっている。例えば、周囲の力学環境に適応できない細胞は、炎症・癌化の原因となる。また、細胞分裂時の未発達なcytokinetic ringは、細胞分裂異常を来たすのはもちろんのこと、核分裂に伴う遺伝子情報にまで影響する。さらには、腸内のグルコース代謝メカニズム解明は、糖毒性起因の病理(典型的なⅡ型糖尿病)への基礎研究として重要である。したがって本研究課題は、細胞力学を上述のように単一細胞から個体内の組織まで幅広く捉え、それらを新たな学問として前進させるものである。
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研究実績の概要 |
研究課題名「計測と数理解析から探る生化学反応を伴う細胞内の力学解明と生きた構成則の構築」のもと、線虫および分裂酵母を用いた分子計測実験および解析を行ってきた。特に本年度は、2022年度に実施した実験(光褪色後蛍光回復法を用いた線虫腸壁における蛍光グルコースの拡散計測)のデータ解析を行い、グルコースの拡散係数が水中よりも二桁遅いことを発見した。また、線虫腸内腔と腸細胞間の粘性層(brash border)がグルコースの貯蔵に寄与することを示した。本内容を取りまとめ、「Glucose stockpile in the intestinal apical brush border in C. elegans」と題してBiochemical and Biophysical Research Communicationsに投稿した。 また、これまで開発してきた光褪色後蛍光回復法の最新の研究をまとめた総説論文をJournal of Biomechanical Science and Engineeringに投稿した。 研究留学先(Yale University)ではDr. Julien Berro指導の下、分子スケールの力センサーの開発に携わっている。2023年度は分裂酵母における細胞分裂時の力計測に成功した。その内容に関してBiophysical Society Annual Meating 2024(Pennsylvania)にて口頭およびポスター発表を行った。現在はこの分子張力センサーの哺乳細胞での試験を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の年次計画である実験・計測とその解析を遂行し、学術誌への報告を行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究留学先(Yale University)にて分子スケールの力センサーの開発を行う。昨年度は分裂酵母における細胞分裂時の力計測に成功した。その内容をまとめるとともに学会誌への投稿を行う。また本研究をさらに発展させるために、哺乳細胞での検証を行う。
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