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リン脂質合成輸送阻害剤を用いたオルガネラ間リン脂質輸送機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0330
補助金の研究課題番号 22J12283 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分43030:機能生物化学関連
研究機関山形大学

研究代表者

椎野 浩也  山形大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードリン脂質合成酵素阻害剤 / PCiB / リン脂質 / ミトコンドリア / ホスファチジルコリン / オルガネラ間リン脂質合成輸送機構 / ホスファチジルエタノールアミン
研究開始時の研究の概要

真核細胞内発達したオルガネラが正常に機能するためには,オルガネラ膜の主成分であるリン脂質が,そのオルガネラ膜にとって適切な組成で維持されることが必須である。しかし,リン脂質のほとんどは小胞体膜とミトコンドリア内膜で合成されるため,リン脂質は自身の合成後,異なるオルガネラへ輸送される必要がある。しかし,ミトコンドリアで合成されたホスファチジルエタノールアミンの輸送因子などは未解明であり,オルガネラ間リン脂質輸送機構には不明な点が多い。そこで,本研究ではミトコンドリアー小胞体間のリン脂質合成輸送機構の解明に向けた研究を行う。

研究実績の概要

真核細胞内には脂質二重膜で囲まれたオルガネラが発達している。オルガネラが正常に機能するためには,オルガネラ膜の主成分であるリン脂質が,そのオルガネラ膜にとって適切な組成で維持されることが重要である。しかし,オルガネラ膜に最も多く存在するリン脂質PCやその前駆体となるPEなどの輸送因子は明らかになっておらず,オルガネラ間リン脂質合成輸送機構には依然として不明な点が多い。このような基礎的な問題が未解決である原因として,リン脂質の細胞内動態を解析する手法が乏しいことが挙げられる。そこで本研究では,リン脂質代謝を特異的に阻害する化合物を開発することで,リン脂質の細胞内輸送機構やリン脂質が持つ生理的意義の解明を目指した。阻害剤を用いてリン脂質合成や輸送を急激に阻害することができれば,遺伝子欠損細胞の環境適応の影響を抑えた解析が可能になると期待される。まず,酵母を用いた化学遺伝学的スクリーニング系を開発し,ホスファチジルコリン(PC)の生合成を阻害できる低分子化合物を単離しPCiB-1,2,3,4と命名した。PCiB-1,2,3,4を用いて遺伝学的および生化学的解析を行ったところ,PCiB-2,3,4はCho2のPEメチル化活性を阻害し,PCiB-1はミトコンドリアからERへのPE輸送ステップを阻害することが示唆された。また,PCiB化合物で処理した酵母細胞ではミトコンドリアが著しく断片化することを見出した。これらの結果から,PCがミトコンドリア分裂を制御する生理機能を持つこと明らかにした。この研究成果は,これまで解析することが困難だったリン脂質代謝機構の解明に大きく貢献できるものである。特に,本研究で得られたPCiB化合物は、酵母における初めてのPC生合成阻害剤であり、PCの生理的役割やミトコンドリア形態形成のメカニズムを解析する研究ツールとして利用できる可能性がある。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Chemical inhibition of phosphatidylcholine biogenesis reveals its role in mitochondrial division2024

    • 著者名/発表者名
      Shiino Hiroya、Tashiro Shinya、Hashimoto Michiko、Sakata Yuki、Hosoya Takamitsu、Endo Toshiya、Kojima Hirotatsu、Tamura Yasushi
    • 雑誌名

      iScience

      巻: 27 号: 3 ページ: 109189-109189

    • DOI

      10.1016/j.isci.2024.109189

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ホスファチジルコリン合成阻害剤PCiBの単離とミトコンドリア分裂への影響2023

    • 著者名/発表者名
      椎野浩也,橋本美智子,細谷孝充,遠藤斗志也,小島宏達,田村康
    • 学会等名
      第31回山形分子生物学セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] リン脂質合成輸送阻害剤を用いたミトコンドリアー小胞体間におけるリン脂質輸送機構の解析2022

    • 著者名/発表者名
      椎野浩也,橋本美智子,細谷孝充,遠藤斗志也,田村康
    • 学会等名
      日本生化学会東北支部第88回例会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] リン脂質合成輸送阻害剤を用いたミトコンドリア・小胞体間における新規リン脂質輸送因子の探索2022

    • 著者名/発表者名
      椎野浩也,橋本美智子,細谷孝充,遠藤斗志也,田村康
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ミトコンドリア-小胞体間におけるリン脂質合成輸送阻害剤の単離2022

    • 著者名/発表者名
      椎野浩也,橋本美智子,細谷孝充,遠藤斗志也,田村康
    • 学会等名
      第30回山形分子生物学セミナー
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [産業財産権] PC合成阻害剤及びそのスクリーニング方法2023

    • 発明者名
      田村康,椎野浩也
    • 権利者名
      国立大学法人山形大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 出願年月日
      2023
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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