研究課題/領域番号 |
22KJ0339
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補助金の研究課題番号 |
21J00318 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松村 崇志 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 特別研究員(PD) (10985625)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ストレス / 昆虫 / 個体死 / 細胞死 / プロテアーゼ / 転写因子 / 活性酸素 / カスパーゼ / 神経系 |
研究開始時の研究の概要 |
Phae1は新規ストレス応答性プロテアーゼ遺伝子である。これまで、致死ストレス応答におけるPhae1の機能は未知であった。去年度までの解析の結果、Phae1の遺伝子発現は致死ストレス特異的に発現が上昇し、神経系でのカスパーゼの活性化に関与することが明らかになった。また、Phae1の変異体は致死ストレス後の生存率を増加させた。さらに、Phae1の発現を制御する転写因子としてzesteを同定した。zesteの変異体はPhae1の発現量を有意に減少させ、Phae1の変異体同様に致死ストレス後の生存率を増加させた。
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研究実績の概要 |
Phae1は新規ストレス応答性プロテアーゼである。Phae1の発現を制御するシグナル経路を同定するために、前年度の研究により樹立したレポーターアッセイシステム(Phae1>luc)を用いて低分子化合物の阻害剤スクリーニングを行った。その結果、mTOR(mammalian target of rapamycin)の阻害剤として知られているラパマイシンの処理によって、ストレス誘導性のPhae1の発現および細胞死誘導が抑制されることを見出した。つぎに、神経系特異的にmTORをノックダウンした場合、致死的な高温ストレス後の生存率が、野生型の個体よりも高くなることが分かった。さらに、2023年度の解析から、Zesteのタンパク質発現量がmTORノックダウンによって抑制されることも分かった。以上の結果から、ストレスによって誘導されるPhae1の発現量はmTOR経路によって制御されている可能性が示唆された。 また、転写因子zesteはPhae1の遺伝子発現を制御する転写因子である。前年度のZeste組み換えタンパク質を用いてゲルシフトアッセイの結果から、ZesteのDNA結合領域がPhae1のプロモーター領域に結合し、DNA-Zesteタンパク質複合体が形成されることを明らかにした。2023年度のChip assayを用いた解析によっても、ZesteがPhae1の上流に結合することを確認できた。以上の結果から、ZesteはPhae1プロモーター領域に直接結合することで、ストレス後のPhae1の発現量を制御していることが示唆された。
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