研究課題/領域番号 |
22KJ0342
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補助金の研究課題番号 |
21J00565 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 (2023) 筑波大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
梅本 篤宏 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 量子場計測システム国際拠点, 研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 暗黒物質 / ダイヤモンド / NV center / シンチレータ / 粒子検出器 / 飛跡検出器 / 光学顕微鏡 / 超解像 |
研究開始時の研究の概要 |
量子センシングは量子効果を応用することで磁場・電場・温度・圧力などを高感度に検出することが可能である。素粒子実験分野での実用例は数少ないが、既存の手法では実現できない高感度検出器や新粒子探索への応用が期待できる。 本研究では、物性や量子コンピュータの分野で盛んに研究が進められているダイヤモンドNV centerを用いた、ナノスケールの空間分解能を有する粒子飛跡検出技術の確立を目的とし、暗黒物質候補の一つであるWIMPsによる反跳原子核信号の方向検出を目指す。
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研究実績の概要 |
量子センサであるダイヤモンドNV centerを用いた暗黒物質方向探索の実現に向け、検出器開発を進めた。この実験では、ダイヤモンドをシンチレータと飛跡検出器の両方で機能させることで、暗黒物質による反跳原子核事象を発光信号でトリガーし、NV center による蛍光飛跡検出法で反跳方向の検出を狙う。 シンチレータ特性の評価は、これまで主に市販のダイヤモンド基板を用いて行った。発光中心として不純物窒素が有望であることを明らかにし、発光量や発光波長、時定数を定量的に示した。2023年度からNIMS高圧グループとの共同研究を開始し、発光中心となる不純物を変えながらの人工結晶作製を可能とした。また、シンチレータだけでなくボロメータとしても機能させることで、トリガー信号の情報量増大を図り、熱検出器の開発に取り掛かった。ダイヤモンド基板上に直接的に超伝導素子(Microwave Kinetic Inductance Detector)を作製し、極低温下での共鳴応答を観測した。 飛跡検出に関しては、NV centerの並びとして記録される重粒子飛跡を読み出すための共焦点顕微鏡を開発した。レーザーと対物レンズ、MPPCで光学系を構築し、マイクロ波発生器と組みあわせた測定系でNV centerの光検出磁気共鳴を観測し、NV centerの量子状態操作と、その読み出しを実証した。この装置による重イオン飛跡の観察を試みた。照射試料の不純物量が不適であったことが明らかになり、飛跡検出のための試料の条件に制限をつけた。
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