研究課題/領域番号 |
22KJ0366
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補助金の研究課題番号 |
21J20700 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松尾 壯一 筑波大学, 人間総合科学学術院, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 急性肝障害 / 好中球 / ケモカイン / DNAM-1 / CD155 / 活性化免疫受容体 / NKT細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
急性肝障害は時に生命を脅かす重篤な疾患である。途上国ではウイルス性急性肝障害が、先進国では薬剤誘導性急性肝障害が大きな割合を占めている。しかし、これら急性肝障害に著効を示す治療法は未だ存在しない。急性肝障害の発症と増悪にはナチュラルキラーT(NKT)細胞による免疫応答が関与することが知られているが、その分子機構は十分に理解されていない。本研究計画では、肝NKT細胞をB型肝炎ウイルス(HBV)トランスジェニック(Tg)マウスへ移入するHBV急性肝障害モデルを用い、HBV急性肝障害におけるNKT細胞が発現する活性化免疫受容体DNAM-1の役割を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
急性肝障害は生命を脅かす重篤な疾患である。しかし、急性肝障害に著効を示す治療法は未だ完全には確立していない。急性肝障害の病態形成にはナチュラルキラーT(NKT)細胞が関与することが知られているが、その分子機構は十分に理解されていない。本研究では、B型肝炎ウイルス(HBV)急性肝障害マウスモデルを用い、急性肝障害の病態形成における、NKT細胞が発現する活性化免疫受容体DNAM-1の役割を解明することを目的とした。 HBV急性肝障害モデルマウス樹立のために複数の遺伝子改変マウスを交配する必要があるため、その間に野生型(WT)マウスより単離した肝NKT細胞を、抗CD3抗体及び抗DNAM-1抗体でin vitroにて架橋刺激したところ、DNAM-1の刺激によりNKT細胞のIFN-g産生が亢進した。 さらに、WT及びDNAM-1欠損マウスからNKT細胞に富む肝リンパ球分画を単離し、マウス初代培養肝細胞と共培養したところ、DNAM-1欠損肝リンパ球はIFN-g産生の減少を示した。また、好中球の浸潤がマウスHBV急性肝障害の増悪に関与することが報告されている(J Virol 2005;79:15142, J Leukoc Biol 2006;81:100)。これを受けて、好中球遊走因子CXCL1の産生を評価したところ、DNAM-1欠損肝リンパ球との共培養において肝細胞によるCXCL1産生が増加していた。さらに、肝細胞はDNAM-1のリガンドであるCD155を高発現していた。WTまたはCD155欠損肝細胞とWT肝リンパ球を共培養したところ、CD155欠損肝細胞はCXCL1産生の減少を示した。以上から、in vitroにて肝NKT細胞上のDNAM-1はNKT細胞によるIFN-gの産生を促進する一方、肝細胞上のCD155との相互作用を通じて、肝細胞のCXCL1産生を抑制することが示唆された。
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