研究課題/領域番号 |
22KJ0373
|
補助金の研究課題番号 |
21J30004 (2021-2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高橋 徹 (2022-2023) 筑波大学, 筑波大学医学医療系分子行動生理学/国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS), 特別研究員(PD)
髙橋 徹 (2021) 筑波大学, 筑波大学医学医療系分子行動生理学/国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS), 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | QIH / Qニューロン / 冬眠様状態 / 低体温 / 冬眠 / 休眠 / 視床下部 / 神経科学 / 体温制御 / 抑制性ニューロン / 低体温・低代謝 / 哺乳類 |
研究開始時の研究の概要 |
冬眠中の哺乳類は、体温・代謝を劇的に低下させ、消費エネルギー削減を実現し冬季などの過酷な環境を生き延びている。冬眠の誘導機構は全 く不明であったが、我々は、非冬眠動物であるマウスを「冬眠の様な低代謝状態(QIH)」に導く神経細胞集団(Q ニューロン )の同定に成功した (Takahashi Nature 2020)。QIHの全貌の解明を目指すことは、冬眠のメカニズム解明に繋がると考えられる。そこで本研究では、「QIHを誘導する詳細な神経経路の解明→Qニューロンの標的神経細胞群を特定する」ことを目的とした研究計画を遂行する。
|
研究実績の概要 |
冬眠様状態QIHを誘導するQニューロンは、視床下部前方およびその近傍に加え、視床下部後方、中脳、橋、延髄といった様々な脳領域に広くその軸索を投射し、その中でも主に視床下部背内側核DMHという神経核がQIH誘導に最重要であることが現時点で明らかになっている。またQIHは複合的な表現型であり、Qニューロンは体温だけでなく自律神経系や身体の動きを制御する能力を有していると考えられる。しかし、Qニューロンがそれぞれをどのように調節しているのか明らかでない。例えば、Qニューロンはその細胞体ごとに投射する神経核を使い分けて各々の生理応答を調節しているかどうか不明である。そこで本研究では、DMHに軸索投射するQニューロンのみを標識し、それを操作することにより体温低下が誘導されるか検証する実験を遂行した。 Qrfp-iCreマウス系統の視床下部背内側核DMHに、Cre依存性にFlp酵素を発現させる逆行性AAVを局所微量投与した。さらにQニューロンの細胞体が位置する神経核avPeに、Cre酵素およびFlp酵素の両者依存的にチャネルロドプシン2(ChR2)を発現させるAAV(AAV-Con/Fon-ChR2)を局所投与した。そのマウス群のavPeに光ファイバーを留置しQニューロンを青色光で刺激した結果、通常のQIHと同様に深く長い低体温が誘導された。またQ(avPe→DMH)ニューロンの細胞体の数および軸索投射先を調べたところ、通常のQニューロンでの結果と同様な傾向が見出された。これらの結果は、Qニューロンの軸索投射は細胞体ごとに分別されていないこと、すなわち1つの細胞体の軸索が分枝して各種神経核に投射していることが示唆した。またQIH誘導においては、Q(avPe→DMH)ニューロンの興奮のみで十分な表現型が観られたことから、Qニューロンの標的としてのDMHの重要性が再確認された結果となった。
|