研究課題/領域番号 |
22KJ0375
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補助金の研究課題番号 |
22J00025 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
齋藤 耕太 筑波大学, 数理物質系, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ディオファントス近似 / 正規数 / 回文数 / 指数和 / b進展開 / リーマンゼータ関数 / 不定方程式 / ピアテツキーシャピロ列 / フラクタル次元 / 等差数列 / 素数表現関数 / 代数的独立性 |
研究開始時の研究の概要 |
本計画では研究目的の(1)、(2)、(3)を達成するために、情報収集・論文投稿・研究発表を積極的に行う。情報収集のために集会の参加や書籍・論文の購入/勉強を行う。研究も勉強と並行に行い、結果が得られた場合はできるだけ早く論文にまとめる。研究発表ではCOVID-19の影響で海外経験があまり積めていない分、本計画では海外での発表に重きを置いた。最終目標の(3)を解決するため尽力していきたい。
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研究実績の概要 |
今年度は次の3つの研究で結果を得た: a) 2進展開とリーマンゼータ関数との関係性についての研究; b) 短区間中の回文数についての研究; c) [x/n]列についての研究 である。まず、a)について述べる。実数を2進展開したとき、1が1/2の頻度で現れる数を2進単純正規数と呼ぶ。Borelによってほとんどすべての実数は2進単純正規数であることが古典的に知られている。しかし、自然対数の底や円周率、2の平方根など人工的でない数で2進単純正規数である例は1つも知られていない。 そこで今年度、名古屋大学の金堂優哉氏と2の平方根の2進展開の研究を行った。結果として2の平方根の2進単純正規性とリーマンゼータ関数に強い関係があることを明らかにした。次にb)について述べる。12321や975579といった逆から読んでも同じ数になる整数を(10進)回文数と呼ぶ。 昨年度筑波大学で行われた代数学若手研究会でPongsriiam氏から回文数についての話を聞き、興味をもち共同研究をするに至った。結果として、十分大きい連続する立方数の間に少なくとも1つ回文数が存在することを明らかにした。最後にc)について述べる。x/nの整数部分をn=1からx以下まで並べた数列について鈴木雄太氏、武田渉氏、吉田裕哉氏と共同研究を行った。簡単に表現できる結果をあげると、[x/n]と[x/m]が互いに素になる(m,n)の確率が6/π^2となることを明らかにした。これは(m,n)を適当に選んだときに、mとnが互いに素になる確率と一致する。 来年度は上述した研究の進展のほかにThue-Siegel-Rothの定理といったディオファントス近似の古典的問題や指数和の問題の勉強・研究を積極的に行っていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度の最も大きい進展はa)の研究において、2進展開とリーマンゼータ関数との関係を明らかにしたことである。2進展開といった数の展開は本研究の課題でもあるディオファントス近似の中心的なトピックである。この数の展開とリーマンゼータが関係しているとは全く予想しておらず、「(1)当初の計画以上に進展している」とした。さらに、名古屋大学で行われた代数学シンポジウムやフランスのロレーヌ大学で行われたJournees Arithmetiques 2023にて研究発表も行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方針は数の展開とリーマンゼータ関数との関係を解き明かすことを目標にする。証明を与えたが、なぜこの2つに強い関係があるのかはっきりとは明らかになっていない。この原因はまだ十分に結果が一般化されていないためと考えている。そこで、今後の研究の推進方策はこの関係の一般化・精密化を行うことを第一の目標とする。第二の目標は単純正規性を満たすような代数的無理数を少なくとも1つ発見することである。そのためにはゼータ関数論を勉強し、どういった理論が応用できるのか今後調査していきたい。
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