研究課題/領域番号 |
22KJ0383
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補助金の研究課題番号 |
22J10309 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
尾川 周平 筑波大学, 人間総合科学学術院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2022年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 自尊感情 / 自己価値の随伴性 / 自己価値の源泉の充足感 / 主観的幸福感 |
研究開始時の研究の概要 |
自己に対する肯定的な感情である自尊感情は、充実した人生を送る上で重要である。しかし、自閉スペクトラム症者は定型発達者よりも自尊感情が低いとする報告が国内外において複数あり、自閉スペクトラム症者に対する自尊感情支援の必要性が示唆されている。本研究では自尊感情を分析する一側面である自己価値の随伴性・充足感に焦点を当て、その実態を量的・質的研究から包括的に明らかにしていく。さらに、ポジティブな心理的側面である主観的幸福感にも焦点を当て、その実態および自己価値の随伴性・充足感との関係性を明らかにする。最終的に本研究で得られた知見を基にした支援プログラムを実施して、効果検証を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、1) 自閉スペクトラム症(ASD)者の自己価値の随伴性・源泉の充足感と主観的幸福感の実態およびその関係性を明らかにすること、2) ASD者の自己価値の随伴性・源泉の充足感に着目した主観的幸福感の支援プログラムを開発することであった。 質問紙調査により、ASD者は非ASD者よりも、興味があることに取り組むことが自分にとって大事であったり、好きなことに熱中することで自分に自信が持てたりすると感じていること明らかとなった。さらにASD者は、興味があることに取り組んだり、好きなことに熱中したりしている程、自尊感情が高いことが示された。本研究の知見より、ASD者の興味があることや熱中できることを踏まえた上で、ASD者の自尊感情支援を行うことの有効性が示唆された。 質問紙調査により、ASD者の自己価値の随伴性は、主観的幸福感とほとんど関係性がないことが示された。一方、ASD者の自己価値の源泉の充足感は、主観的幸福感と関係性が一定程度あることが示された。特にASDのある高校生および成人期ASD者に共通して、自己価値の源泉の充足感の「人間関係 (友人関係)」が高い程、主観的幸福感が高くなっていた。面接調査においても、成人期ASD者の7名中6名が、信頼できたり仲の良かったりする友人がいることで、幸せな気持ちが高まる旨の回答をした。つまり、ASD者の主観的幸福感を高める上で、仲の良い友人がいることが重要である可能性が示された。以上の知見を踏まえ、ASD者の自己価値の随伴性・源泉の充足感に着目した主観的幸福感の支援プログラムを実施し、効果検証することが課題となった。
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