研究課題/領域番号 |
22KJ0398
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補助金の研究課題番号 |
22J10972 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分60080:データベース関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
真次 彰平 筑波大学, 計算科学研究センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | グラフ要約 / グラフ / コミュニティ検索 |
研究開始時の研究の概要 |
グラフ要約はグラフ中のいくつかのノードやエッジを集約することでグラフサイズを削減する技術である. 本研究の目的は①大規模グラフに対する圧縮率が高く情報の欠損が無いグラフ要約手法,および②要約グラフ上での高速なグラフ分析手法を開発することである. 具体的には,元のグラフにおけるエッジの情報を要約グラフ上で効率よく保存するために,集約されたエッジの接続関係を完全に復元可能なビット列を用いた格納方式を開発し,グラフの空間計算量を削減する.さらには,グラフ処理プリミティブであるTriangle Counting問題およびその応用問題の要約グラフを用いた高速化に取り組む.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は高速・高圧縮率なグラフ要約手法の確立と要約グラフを用いた高速・高精度なグラフ分析手法の開発である.最終年度では,当初の計画通り,初年度に開発したグラフ分析手法に関する次なる研究のステップとして,①さらに圧縮率の高い効率的なグラフ要約手法の開発,②要約グラフ上での応用的なグラフ分析手法の開発の2点に取り組んだ.また,初年度の研究成果をまとめた1編の学術誌論文が採択された. ①について,初年度に開発したウェッジ分割法には大きさが3以上のスーパーノードを構築できないという欠点があった.この問題を解決するために,申請者はグラフを再帰的にマージするというアイデアに基づき,ノードのマージを用いて大きなスーパーノードを構築するBranch-and-Merge法を提案した.この手法はk-plex探索に代表されるグラフ中のコミュニティ探索の技術領域において非常に要約性能が高いと考えられたため,グラフ中の最大k-plexを抽出する最大k-plex探索手法を開発した.この手法をまとめた2編の論文が国際会議に採択された. ②について,一般のグラフ要約手法において頻繁に用いられるプリミティブなアルゴリズムとして,要約グラフ上でのTriangle Counting問題とSingle Source Shortest Path問題の高速な解法を提案した.この手法をまとめた1編の論文を国内会議にて発表し,1編の学術誌論文を執筆中である. これら二つの研究実績を通じて,申請者の研究計画における目標は概ね達成されたといえる.
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