研究課題/領域番号 |
22KJ0401
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補助金の研究課題番号 |
22J11104 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
原田 亮 筑波大学, 理工情報生命学術院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 真核生物 / ミトコンドリア / 葉緑体 / DNA複製 / オルガネラ進化 |
研究開始時の研究の概要 |
ミトコンドリアゲノムは核にコードされたミトコンドリア局在DNAポリメラーゼ(mt局在DNAP)によって複製される。これまでにPolγ、POP、PolIA、PolIBCD+という4種類のmt局在DNAPが報告されている。しかし、そのいずれも検出されない真核生物系統が複数見つかっている。これらの系統においてもミトコンドリアゲノムが維持されていることから何らかのmt局在DNAPが存在しているはずであるが、詳細は不明である。 本研究では多様な真核生物系統におけるmt局在DNAP候補の探索とDNAPの大規模系統解析を行うことで、真核生物におけるmt局在DNAPの多様性と進化の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
今年度は昨年度までに行っていたDNAポリメラーゼの探索をさらに広範な真核生物で包括的に行うことで最終的に10種類の新奇DNAポリメラーゼを発見した。これらのうち、3種類については学内外の共同研究者との協力のもと、GFPを用いた細胞生物学的実験により細胞内局在を確認した。新たに発見したDNAポリメラーゼのうち、rdxPolAと名付けたものはミトコンドリアの起源となったαプロテオバクテリアに直接由来することを明らかにした。rdxPolAの発見は真核生物におけるミトコンドリア局在DNAPの理解を改めるものであり、ミトコンドリアの誕生から現生の真核生物に至るまでのミトコンドリア局在DNAPの進化シナリオの提案に成功した。この成果はMolecular Biology and Evolution誌に査読付き英文論文として掲載された。 また、ユーグレノゾアに属する未培養種の単細胞由来トランスクリプトームデータに含まれるDNAポリメラーゼ配列を探索することで、ユーグレノゾアにおけるミトコンドリア局在DNAPの分布を更新した。この成果はProtist誌に査読付き英文論文として掲載された。 さらに、真核生物ゲノムのアノテーションツールの解析を行った。アノテーションに必要となるイントロンとエキソンの境目となるスプライスサイトの予測を機械学習を用いて行った。この成果はIPSJ Transactions on Bioinformatics誌に査読付き英文論文として掲載された。 原田氏は研究成果の発表にも積極的であり、昨年度は情報処理学会第143回MPS・第74回BIO合同研究発表会、3rd Annual Congress on Euglenids、ECOP-ISOP 2023で研究成果の一部を口頭発表した。ECOP-ISOPではホルツ・コナートラベルアワードを受賞した。
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