研究課題/領域番号 |
22KJ0402
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補助金の研究課題番号 |
22J11120 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
澤田 聖人 筑波大学, 理工情報生命学術院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 生態 / 餌毒の二次利用 / ヤマカガシ / ヒキガエル / 外来種 / 生物間相互作用 / 爬虫類 / 頸腺 / 表現型可塑性 / 島嶼生態系 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、"餌毒の再利用"という餌依存的な防御形質が生態的にどのような適応意義をもっているのかを明らかにすることを目的として、佐渡島に生息するヤマカガシを対象に研究を行う。佐渡島にはヤマカガシが在来種として生息する一方、その毒源となるヒキガエルは生息していなかったが、1964年にアズマヒキガエルが国内外来種として侵入し、現在は島南西部のみに定着している。すなわち、外来ヒキガエルが分布している地域のみで餌毒の再利用を行っていることが予想される。本研究では、上記の仮説検証するとともに、ヒキガエル分布地域と非分布地域におけるヤマカガシの生態的特性の違いについて調査する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、2022年度に得た「佐渡島のヤマカガシは外来ヒキガエルの侵入に伴い頸腺毒を獲得している」という結果を基にヒキガエル侵入地域と未侵入地域のヤマカガシ個体群間でどのような生態的違いが生じているのかを調査した。その結果、ヒキガエル侵入地域のヤマカガシ個体群は未侵入地域の個体群と比較して、防御用毒である頸腺毒に依存した対捕食者行動を頻繁に示すことがわかった。加えて、両地域におけるヘビ類の種構成や食性についても調査した。その結果、種構成は両地域間に有意な差はみられなかった。一方、食性は両地域間に違いがみられたが、ヤマカガシと類似した食性をもつシマヘビでも同様の傾向がみられたことから、この違いはヤマカガシの頸腺毒獲得によるものではなく、島内の餌環境的な要因に依存したものであると考察された。上記の結果は報告者の博士論文「Acquisition of Defensive Toxins from Invasive Toads in Native Rhabdophis tigrinus and its Ecological Effects」としてまとめられた。 10月からはDC2からPDに資格変更をした上、JSPS若手研究者海外挑戦プログラムの下、10月2日~3月1日まで台湾で研究課題「世界の侵略的外来種オオヒキガエルは台湾のヤマカガシの毒源として利用されているのか」を遂行した。本研究では、台湾に分布するヤマカガシ(毒源として在来ヒキガエルを利用)が近年外来種として持ち込まれた中南米原産のオオヒキガエルを毒源として利用しているのかを確かめるべく、受入研究者であるTein-Shun Tsai教授(National Pingtung University of Science and Technology)サポートの下、フィールドワークおよび室内行動実験を行った。
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