研究課題/領域番号 |
22KJ0440
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補助金の研究課題番号 |
22J40078 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
趙 彦杰 筑波大学, 生命環境系, 特別研究員(RPD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | きのこ、菌株、持続型ウイルス / マイコウイルス / きのこ / 環境ウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
生物は周囲の生物とともに、「生態系」というシステムの中で生きている。その生態系には動物、植物、微生物が主要な構成因子と考えられているが、近年の研究により、ウイルスが地球上のほぼ全ての生物に共生し、生態系の新たな構成因子と示唆された。さらに、共生型ウイルスは病原性ウイルスよりも自然環境中で優占している可能性が指摘されている。 そこで本研究では、真菌に感染するウイルスのほとんどが共生型であることに着目し、野外で取得したキノコの子実体を直接解析することで、培養の影響を受けていない天然のウイルス叢を明らかにし、生態系における「宿主とリンクした共生型ウイルス」の真の多様性に迫る。
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研究実績の概要 |
2022年度はアガロースゲル電気泳動方法 (AGE)およびdsRNA シーケンシング(FLDS法)を組み合わせた方法を用いて、担子菌類のウイルススクリーニングに成功した。今年度は上記確立した方法でチャワンタケ (子嚢菌類)の57分離株からウイルススクリーニングを実施した。その結果、 5株はウイルスを保持することが解明した。さらに、FLDS法を用いて、ウイルス保持株からゲノム配列を取得した。それらのゲノム配列を分子進化学的に解析して、2種の二本鎖RNA(dsRNA)ウイルス(Quadrivirus 1種、Partitivius 1種)、5種のプラスセンス一本鎖RNA(+ssRNA)ウイルス (Mitovirus 3種、Endornavirus 1種、Virgavirus 1種)は全て新種であり、またすべての宿主は初めてマイコウイルスに感染することがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、自然界生態系における「宿主と共生するウイルス」の真の多様性を解明することを目的としている。2023年度は子嚢菌57分離株からウイルススクリーニングより新規ウイルスを発見することに成功した。投稿論文としてデータ発表も行った。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度のウイルス探索の結果からスギ黒点枝枯病菌であるStromatinia cryptomeriaeの3株に2株でもStroMV1に感染するが確認出来た。S. cryptomeriaeはサンプリングしやすいの特徴であるため、今後はこの菌種に注目して、環境中におけるウイルスの機能に進む予定である。
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