研究課題/領域番号 |
22KJ0454
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補助金の研究課題番号 |
22J01332 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
松永 光司 埼玉大学, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | DNAアプタマー / 金ナノ粒子 / ウイルス / キャピラリー電気泳動 / 藻類 / 細菌 / レジオネラ細菌 / 細胞外小胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は特定の標的と特異的に結合するDNAアプタマーを迅速に選抜する手法と、選抜したDNAアプタマーを用いたアプタセンサーを構築する。本研究は今後発生するであろう新規感染症発生時に、生体中や環境中のウイルスを迅速に測定できる方法を確立することを目標とする。 DNAアプタマーの迅速に選抜する手法として、キャピラリー電気泳動を用いたシングルラウンド選抜法によって、従来の選抜法よりも高性能なDNAアプタマーを短期間で選抜する手法を構築する。 DNAアプタマーを用いたアプタセンサーの構築では、上記の方法で選抜したDNAアプタマーにシグナル物質を修飾させ、色の変化等で標的を検出する手法を構築する。
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研究実績の概要 |
本年度は、ウイルス結合型DNAアプタマーの選抜に着手し、ノンエンベロープウイルスとしてアデノウイルスを、エンベロープウイルスとしてベータコロナウイルスを標的としたDNAアプタマーを、キャピラリー電気泳動と次世代シーケンシングを組み合わせた手法によって獲得した。まず、キャピラリー電気泳動において、ウイルス由来の粒子ピークを鋭利な単一ピークにするためのバッファー組成を検討した。その後、アデノウイルス、及びベータコロナウイルスに対して、それぞれ結合するDNAアプタマーを含む選抜プールを獲得できた。これらの選抜プール中のDNAの末端に蛍光色素を修飾させ、再度標的ウイルスと結合させた。その結果、各選抜プールには、アデノウイルス、及びベータコロナウイルスにそれぞれ結合するDNAアプタマーが含まれていることが判明した。 アデノウイルス結合型DNAアプタマーを含む選抜プールは配列解析を実施し、DNAアプタマー候補配列を獲得できた。一方で、ベータコロナウイルス結合型DNAアプタマーを含む選抜プールは、今後配列解析を実施する。 上記のウイルス以外については、藻類や細菌等の微生物を標的としたDNAアプタマーをによって獲得した。その結果、標的とした微生物に対して結合するDNAアプタマー候補配列を獲得できた。また、本研究で選抜したDNAアプタマーは異なる種や株の微生物に対して結合しなかった。 また、これまでに選抜したレジオネラ細菌結合型DNAアプタマーを金ナノ粒子表面に修飾させたアプタセンサーは、環境試料にレジオネラ細菌を添加した疑似試料に適用した。その結果、疑似試料中の低濃度のレジオネラ細菌を前処理なしで検出できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、ウイルス結合型DNAアプタマーの選抜に着手し、ノンエンベロープウイルスとしてアデノウイルスを、エンベロープウイルスとしてベータコロナウイルスを標的としたDNAアプタマーの選抜を、キャピラリー電気泳動と次世代シーケンシングを組み合わせたシングルラウンド選抜法により実施した。その結果、アデノウイルス、及びベータコロナウイルスに対して、それぞれ結合するDNAアプタマーを含む選抜プールを獲得できた。 アデノウイルス結合型DNAアプタマーを含む選抜プールは配列解析を実施し、DNAアプタマー候補配列を獲得できた。一方で、ベータコロナウイルス結合型DNAアプタマーを含む選抜プールは、今後配列解析を実施する。 上記のウイルス結合型DNAアプタマー選抜以外にも、藻類やレジオネラ細菌をはじめとした様々な微生物を標的としたDNAアプタマー配列を獲得できた。また、構築したレジオネラ細菌検出型アプタセンサーを疑似試料に適用し、低濃度のレジオネラ細菌を前処理なしで検出できた。 以上より、当初の計画より多種類の標的微生物に対してそれぞれ結合するDNAアプタマーを選抜でき、アプタセンサーの原型を構築できた。しかし、当初の計画のみに着目すると、予定よりもやや遅いと考えられる。そのため、本年度における研究への取組、研究成果を踏まえて「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
選抜プール中からウイルス結合型DNAアプタマー配列を決定し、簡易分析法への応用を目指す。第一に、金ナノ粒子表面にウイルス結合型DNAアプタマーを修飾し、金ナノ粒子の凝集、及び分散による色の変化を利用した簡易分析法を構築する。また、開発した簡易分析法を実試料への適用評価を実施する。具体的には、これまでに選抜したアデノウイルス結合型DNAアプタマーとベータコロナウイルス結合型DNAアプタマーとし、アデノウイルス検出型アプタセンサー、及びベータコロナウイルス検出型アプタセンサーの開発を目指す。
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