研究課題/領域番号 |
22KJ0456
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補助金の研究課題番号 |
21J00537 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 東北福祉大学 (2023) 千葉大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
朝岡 陸 東北福祉大学, 総合福祉学部, 助教
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 時間知覚 / 持続時間知覚 / 多感覚相互作用 / 最尤推定 / 視覚 / 触覚 / 聴覚 / 視覚内相互作用 / 知覚的群化 / 多感覚情報統合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は時間間隔の知覚における多感覚情報処理過程の役割を解明することを目的とする。我々は時間という情報に対して特有の感覚器官を有してないにも関わらず,時間に関する知覚や判断を行うことができる。我々の持つ感覚器官は外界から常に情報を受け取っていることを鑑みて,特に視覚,聴覚,触覚などの感覚間で生じる相互作用に焦点を当てながら,ヒトの時間間隔知覚メカニズムを行動的・脳科学的観点から考察する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,時間間隔知覚メカニズムにおける多感覚間相互作用過程を解明することである。これに関連する現象として,時間間隔知覚の課題対象である視覚刺激の直前と直後に課題に関連しない聴覚刺激や触覚刺激を提示すると,視覚刺激が単独で提示される条件よりも,知覚時間が短くなるという現象(短縮効果)がある。令和5年度は,多感覚相互作用の研究分野で用いられている最尤推定モデルを用いて,視触覚刺激で生じる短縮効果についてさらなる検討を行なった。最尤推定モデルに着目した理由は筆者らの先行研究で視聴覚の短縮効果が最尤推定モデルによってうまく予測できたためである。最尤推定モデルは単感覚事態での成績を基に加重平均を行うことで,多感覚事態での成績を予測できるとする。視覚刺激が触覚刺激に挟まれる多感覚事態では,二つの単感覚の時間情報が存在する。一つ目は視覚刺激の開始から終了までによって定義される時間(視覚充実時程)と二つ目は1回目の触覚刺激の終了から2回目の触覚刺激の開始で定義される時間(触覚空虚時程)である。そこで,視覚充実時程と触覚空虚時程に対する知覚時間を個別に測定し,短縮効果の予測を試みる実験を行った(実験参加者は25名)。結果として,短縮効果が再現されただけでなく,触覚空虚時程中に視覚刺激が提示されると,触覚刺激だけが提示される条件よりも知覚時間が長くなる伸長効果も確認された。短縮効果と伸長効果はどちらも加重平均によって個人レベル平均レベルともに高い精度で予測可能であった。これらの結果パターンは視聴覚の短縮効果とほぼ同様であったため,時間間隔知覚における多感覚相互作用過程は入力の感覚器官が異なっても同様のシステムやメカニズムが働くことが示唆される。現在は令和4・5年度で行なった視触覚の短縮効果についての研究成果を英語論文としてまとめている段階である。
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