研究課題/領域番号 |
22KJ0481
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補助金の研究課題番号 |
22J13063 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
朱 聞起 千葉大学, 大学院工学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 無線電力伝送 / E級発信機 / ソフトスイッチング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、負荷変動及び位置ずれに対し制御システムを用いず一定出力と高電力伝送効率を達成する、「制御不要な高周波WPTシステム」の研 究開発に取り組む。応用例として、人が容易に届かない場所に設置された無線IoT機器に給電しに行くドローンによるWPTシステムを開発し、実 機実験により提案の有効性、妥当性、革新性を示す。
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研究実績の概要 |
本研究は、負荷抵抗変動(課題1)及び位置ずれ (課題2)に対して、制御システムを用いず一定出力と高効率を達成する、「制御不要な高周波WPTシステム」の研究開発に取り組む。応用例として、人が容易に届かない場所に設置された無線IoT機器に給電しに行くドローンによるWPTシステムを開発し、実機実験により提案の有効性、妥当性、革新性を示す。以下に主な研究成果を示す。 (課題1) E級スイッチング回路における負荷非依存技術はWPTの諸課題の解決にマッチした技術であり,有望な解決策になることに気づき、E級増幅器、E級周波数逓倍器、E-1級増幅器、など様々なインバータ回路に対して解析を行い、設計理論を体系化した. さらに、ドローンなど様々な受電機に搭載されるリチウムイオンバッテリーの負荷変動特性を想定し、バッテリー充電に必要な一定出力電流・電圧を切り替える機能を有するインバータを提案した. 負荷非依存インバータの設計論を統合する(特許申請技術)ことにより,負荷変動に対してインバータ側で一定電圧,一定電力出力の切り替えに初めて成功した. (課題2) 送・受電器の位置ずれに対し,一定出力電圧および高電力伝送効率を維持するため、自己同調形E級発振機を提案した.提案回路では,駆動信号と出力電圧の位相差が一定になるように動作周波数を自律的に調整することで,位置ずれによる出力共振インダクタンスの変化に対しても頑強性を持ち,負荷非依存動作を維持することができる。回路解析と実験検証によって,提案手法の有効性及び妥当性を確認した.。 これらを通じて確立した解析技術により,負荷変動・インダクタンス変動に対する非依存特性を自由自在に設計できるようになっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、負荷変動(課題1)及び位置ずれ(課題2)に対して一定出力とソフトスイッチング特性を達成する無線電力伝送システムの研究開発に取り組む。2023年4月時点では,本補助金申請時に提出した研究計画書に従って順調に研究を遂行している。具体的には開発の指針として最も重要な 、(課題1) 負荷変動、 (課題2) 送受電器間の位置ずれ(インダクタンス変動)、をそれぞれ独立に克服する制御不要なWPTシステムを提案し、設計理論を確立した。 (課題1):本課題では、負荷抵抗非依存WPTシステムを設計・実装をした。これまでの研究で得た負荷非依存インバータおよび負荷非依存整流器の知見を発展、応用することで、負荷非依存高周波WPTシステムを開発し、実機実験でその妥当性を実証した。 (課題2):WPTシステムに自励発振メカニズムを適用することで,駆動信号と出力電圧の位相差が一定になるように動作周波数を自律的に調整できる発信機回路を提案した。抵抗成分の変動による位相・電圧変化をキャンセルアウトさせることが可能である。具体的実験による動作確認をするとともに、送受電器間の位置ずれに強い発信機回路の設計理論を確立した。
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今後の研究の推進方策 |
(課題1)、(課題2)で明らかとなった、2種類の変動に対する設計条件を統合することで、これらの要因が複合的に生じた場合にも一定出力、高電力伝送効率を達成する「制御不要WPTシステム」を実現する。2023年度にそのフィジビリティを示し、受電器をIoT機器に搭載することにより、ドローンによるIoTデバイス向けのWPTシステム(課題3)を開発する。 (課題1)と(課題2)の成果を組み合わせることを基本とするが,二つの変動は独立した問題ではないため,相互の影響について検討し,ドローンによるIoTデバイス向けWPTシステムを実現する。これを通じて提案する制御不要な高周波WPTシステムの革新性、有効性、妥当性を実機実証する。 一連の研究・開発過程で得られた結果は、逐次国内外の学会、論文誌で発表を行う。
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