研究課題/領域番号 |
22KJ0502
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補助金の研究課題番号 |
20J40149 (2020-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2020-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塚原 小百合 東京大学, 理学系研究科, 研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | セントロメア / レトロトランスポゾン / シロイヌナズナ |
研究開始時の研究の概要 |
レトロトランスポゾンは多くの生物におけるゲノムの主要な構成要素であるが、多くの場合不活性化されている。Copia型レトロトランスポゾンTal1は、シロイヌナズナの形質転換体において転移活性を持ち、セントロメア領域に特異的に挿入する性質をもつ。本研究では、この転移可能なTal1を用いて、Tal1がセントロメア領域に特異的に挿入するメカニズムを解明するため、セントロメアターゲティングに必要なTal1側の因子、および宿主側の因子の同定を行う。
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研究実績の概要 |
Tal1レトロトランスポゾンがセントロメア領域を標的として転移する機構について調べている。Tal1と同じファミリーに属するレトロトランスポゾンで、遺伝子領域に特異的に転移するEvade(ATCOPIA93)を用いて、Tal1とEvadeのキメラ配列を導入した形質転換体を作成し、新規挿入箇所を調べることにより、昨年度までに、Tal1のインテグレースをコードする領域のC末端側(IN2領域)がセントロメアへのターゲティングに重要であることを示す結果を得ていた。今年度はさらに領域を狭め、Tal1のセントロメアへのターゲティングに効いているアミノ酸、およびEvadeの遺伝子領域へのターゲティングに効いているアミノ酸の候補を得ることができた。具体的には、1アミノ酸置換を導入したTal1やEvadeの形質転換体を作成し、新規の転移をゲノムワイドに検出することで、挿入位置の特異性が変化することを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
Tal1のIN2領域の中の1アミノ酸を置換することにより、Tal1がセントロメアへのターゲティング機能を失い、染色体全体にわたって挿入されることを示した。また、EvadeのIN2領域における、Tal1で置換を行ったアミノ酸に相当すると考えられるアミノ酸を置換すると、Evadeの遺伝子領域特異的なターゲティング機能が一部喪失し、Evadeがペリセントロメア領域に多く挿入されるという予想外の結果を得た。セントロメアへの挿入も見られたものの一部にとどまった。以上の実験により、上記アミノ酸がTal1やEvadeの転移の際のターゲティングに必要であることが示された。
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今後の研究の推進方策 |
IN2領域に1アミノ酸置換を入れたEvadeが、セントロメアに特異的に挿入されなかったことは、セントロメアターゲティングに効いているアミノ酸が当アミノ酸だけではないことを示唆している。今後はどのアミノ酸配列がセントロメアターゲティングに十分であるのかを特定し、それらの配列をもつレトロトランスポゾンを近縁種や他の植物種において探索し、レトロトランスポゾンの進化的な側面について考えたい。本研究で、Tal1とEvadeのキメラ配列の新規挿入位置をシーケンスによって調べた結果を論文にまとめる。
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