研究課題/領域番号 |
22KJ0507
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補助金の研究課題番号 |
21J00051 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
船本 大智 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 花粉媒介 / 基部被子植物 |
研究開始時の研究の概要 |
被子植物は白亜紀に爆発的に多様化したと考えられており、花粉媒介昆虫は被子植物の初期進化に大きな役割を果たしたと考えられている。しかし、初期の被子植物がどのタイプの昆虫類に花粉媒介されていたかは良く分かっていない。また、花粉媒介者への適応において重要な花形質(花形態・報酬の種類など)の初期進化に関する知見は限られている。本研究では、現生の被子植物の中で系統的に基部で分岐したグループに注目し、野外調査、文献調査、系統的解析を行うことで、被子植物の花粉媒介様式の初期進化を推定する。
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研究実績の概要 |
本年度はキンポウゲ目やサクライソウ科といった、真正双子葉類と単子葉類において、それぞれ比較的基部で分岐した系統の植物において花生態学的な調査を行った。その結果、以下に述べるような成果を上げることができた。 オゼソウ(サクライソウ科)の調査を北海道の野生集団で行った。その結果、双翅目とアリ科がオゼソウの主要な訪花昆虫だった。また、授粉実験を行ったところ、オゼソウはもっぱら他家受粉によって種子生産をしていることが示唆された。一方で、菌従属栄養植物のサクライソウは自動自家受粉によって種子生産をすることが先行研究によって知られている。よって、近縁属どうしであるオゼソウとサクライソウの交配様式が互いに異なることが示唆された。 キンポウゲ目における調査での特筆すべき成果は、コウモリカズラ(ツヅラフジ科)の花蜜が褐色であることを報告したことである。コウモリカズラと、ツヅラフジ科3属3種(アオツヅラフジ、ツヅラフジ、ハスノハカズラ)の花形質を種間比較したところ、コウモリカズラのみが褐色の花蜜をもつことが分かった。また、コウモリカズラ属と最も近縁な属であるツヅラフジ属が透明な花蜜をもつことも明らかになった。したがって、コウモリカズラにおける褐色の花蜜はツヅラフジ属とコウモリカズラ属が分岐した後に獲得された可能性がある。ただし、ツヅラフジ科における花蜜色の進化をより詳細に明らかにするためには、より広範囲の分類群間で花蜜色を比較する必要がある。被子植物において、蜜に色をもつ種は稀である。さらに、私の知る限り、キンポウゲ目では花蜜に色をもつ種はこれまで報告されていない。コウモリカズラにおける花蜜色の適応的意義を明らかにすることは本研究ではできなかったものの、コウモリカズラは花蜜に色をもつ植物の進化を理解する上で良い材料になると考えられる。この研究成果は原著論文としてEcology誌に出版された。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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