研究課題/領域番号 |
22KJ0519
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補助金の研究課題番号 |
21J00566 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小野 雅弥 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 昆虫免疫 / RNA-seq / 線虫 / 血球 / C.elegans / アワヨトウ / 昆虫 / 包囲化 / レクチン / PAMPs |
研究開始時の研究の概要 |
昆虫や哺乳類は体内に侵入した病原体を認識する際に、病原体表面のPathogen-associated molecular patterns(PAMPs)を利用する。宿主が病原体を排除するためには、PAMPsをいち早く見つけ出し、PAMPs受容体を結合させ、免疫システムを起動させることが必要である。しかしながら、線虫に関してはPAMPsの存在は明確になっておらず、その受容体も明らかになっていない。申請者の昆虫を使った研究から得られた成果を足掛かりとし、昆虫寄生線虫および哺乳類寄生線虫のPAMPsおよびその受容体を同定し、昆虫や哺乳類の線虫に対する免疫機構の全体像を分子レベルで解明する。
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研究実績の概要 |
チョウ目のアワヨトウ終齢幼虫に線虫(C. elegans)を注入し、RNA-seqを用いて、血球での遺伝子発現変動解析を行った。PCA解析により、バッファーやビーズを注入した昆虫と比較し、線虫の注入で遺伝子の発現が大きく変動することがわかった。線虫に対する昆虫の主要な免疫として、包囲化作用があげられる。線虫の包囲化前に、発現変動した遺伝子数は329で、その中には異物認識やToll-pathwayに関わる遺伝子が含まれていた。ビーズの注入においてもToll-pathwayの遺伝子の変動は見られたが、いくつかの遺伝子は線虫の注入によってのみ発現上昇が見られた。また、包囲化に寄与することが報告されている異物認識受容体の1つであるC-type lectinにおいても、線虫の注入によってのみ発現上昇するものが見られた。このことからも、線虫特異的に変動する遺伝子群の存在が示唆された。さらに、包囲化前、包囲化中、包囲化後での一連の遺伝子発現変動を知るため、タイムコース解析を行なった。線虫特異的に変動した遺伝子を見ると、包囲化前に発現し始め、包囲化中にピークとなり、包囲化後に、発現が低下した。この中には、Toll-pathwayの下流の遺伝子が含まれていた。一方で、線虫の注入によって発現が低下する遺伝子も存在し、これについては考察が必要と考える。この成果は、応用動物昆虫学会で発表し、論文についても投稿準備中である。
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