研究課題/領域番号 |
22KJ0523
|
補助金の研究課題番号 |
21J00721 (2021-2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
潘 晟 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 特別研究員(PD) (10907372)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 素粒子物理学 / ミューオン / 大統一理論 / ミューオン稀崩壊 / 液体キセノン / SiPM / MPPC |
研究開始時の研究の概要 |
この世界を構成する最小単位である素粒子のうちのひとつ、ミューオンのフレーバー非保存崩壊過程の探索を行う。これはミューオンが別の種類(フレーバー)に突然変化する過程であり、現在までミューオンでは発見されていない。この崩壊を発見することで、3つの種類の力を統一的に記述することができる大統一理論の強力な証拠を得ることになる。 本研究ではスイス・ポールシェラー研究所で行われている実験:MEG II実験に携わり、その運用・解析を行うものである。
|
研究実績の概要 |
スイス・ポールシェラー研究所に赴いて、ミューオンのフレーバー非保存崩壊過程:μ→eγ崩壊の探索を行うMEG II実験に携わっている。 2022年度においてはビームタイムの前にアニーリングと呼ばれる加熱処理によって検出器に用いられている光センサー(MPPC)の検出効率を2022年の物理探索に耐えるレベルまで回復した。 ビームタイム中は液体キセノン検出器の較正・運用に携わり安定した物理データ取得に貢献した。検出器の較正では光センサーのゲインや検出効率を日々モニターすることで検出器の異常検出を行なったり、実験の際のビームの強度決定のための重要なインプットとなった。また、データ取得の際に検出器の場所依存性をおさえたトリガー条件を作成した。物理探索期間終了後、特別なセットアップによる検出器較正ラン(Charge EXchange run, CEX run)が実施された。CEX runにおける指揮をとることで較正に必要な統計のデータ取得に成功した。 ビームタイム終了後に、再びアニーリングによる検出効率回復を行なった。これにより2023年度の物理探索の準備を完了した。 また、2022年に取得したデータの物理解析のための準備も並行して行なっている。取得された波形情報から元のエネルギー情報を再構成するための変換係数の較正や検出器内の反応の場所依存性の補正などを行い、エネルギー分解能の向上による実験感度の改善を目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アニーリングによる光センサーの検出効率回復を達成し、2022年の物理データ取得を成功に導くことができた。 また、2022年の物理データ取得においては日々の較正によるモニタリングを行い、検出器の安定運用に貢献した。また物理データ取得後の検出器較正ランにおいてはスケジューリングなどの指揮を取り十分な統計のデータ取得を成功させた。 また、ビームタイム終了後は再びアニーリングを行い2023年の物理ランにむけたアニーリングを行い、検出器の準備を完了させた。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年ランにおいても較正・モニタリングを通じた検出器の安定運用および実験の安定遂行を目指す。特に次年度ではトリガー条件の改善を行い、より効率的なデータ取得を目指す。 物理データ取得終了後はアニーリングによる検出効率回復を行う。 また、2022年の物理データの解析も行う。
|