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大規模学習による新しい降水予測モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0533
補助金の研究課題番号 21J00927 (2021-2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2021-2022)
応募区分国内
審査区分 小区分22040:水工学関連
研究機関東京大学

研究代表者

金子 凌 (2021, 2023)  東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD) (20973374)

特別研究員 金子 凌 (2022)  東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD) (20973374)
研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード降水予測 / 水工学 / 水文学 / 水循環 / 機械学習 / 深層学習 / 土木工学 / 防災・減災
研究開始時の研究の概要

目的は、ディープラーニングを用いた降水予測モデルの高精度化である。現業のモデルの予測精度を超えることを目指す。現在、ディープラーニングを用いた降水予測に適した、又は適していない事例が存在し、それらの傾向が明らかになりつつある。これらを踏まえ、どのようなモデルを構築し、そのモデルにどのようなデータを学習させるかを検討する。また、世界で観測されたデータを学習させることで、日本での降水予測精度が向上するかどうかも検討する。

研究実績の概要

昨年度より、開発中の深層学習モデルが、降水、特に豪雨イベントを過大・過小評価することが問題になった。豪雨のサンプルサイズが少ないため、学習が正確にできないことが原因だと考えられる。そこで、この問題の解決のために、モデルの構造や、モデルの学習の目的となる損失関数、学習データのサンプルサイズのバランスを工夫した。モデルの構造には新しくAttention機構やDeformable Convolutionという仕組みを導入し、現象の中で重要な領域(豪雨などのイベント)の学習を集中的に行えるよう検討した。また、損失関数として、画像処理で利用されているTversky LossやFocal Lossを用いることで、誤差関数が小サンプルサイズのデータにも最適化されるように調整を行った。さらに、学習データのバランスも調整を行い、可能な限り豪雨のサンプルサイズと通常の雨のサンプルサイズが近づくようにした。
また、従来までのモデルは、予測時間が6時間先までの12ステップを予測する(30分間隔ごとの予測)モデルだが、新しいモデルは1時間先までの2ステップを予測するモデルに改良された。新しいモデルは、この2ステップ予測を繰り返すことによって、6時間先までの予測を行うことが可能である。新しいモデルは比較的予測しやすい1時間先までの降水で学習することで、計算が安定する場合があることが分かった。
これらの改善により、新しいモデルを用いた予測精度が従来のモデルに比べて向上するケースが存在することが明らかとなった。さらに、気象庁が提供する降水短時間予報GPVとの予測結果の比較も行っており、降水事例によっては提案モデルの方の予測精度が高いことが明らかとなった。
一方、衛星データや地形データの学習も行っているが精度が期待した程に上がらず、検討の余地を残している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究効率の大きな向上と、現在の状況を鑑みてこのような評価であるとした。
今年度までに、モデルの構築や計算の高速化、評価手法のブラッシュアップなどが行われ、データの収集からモデルの評価までが、大いにスムーズに、かつ洗練された形で行えるようになった。そのため、想定したよりも研究が早く進められるようになっている。
一方、予測精度の改善が必要であり、衛星データ等の学習に対する工夫が必要であるなど課題も残している。
以上の理由により、「おおむね順調に進展している」とした。

今後の研究の推進方策

学習データの側面と、モデル構築の側面から精度向上に向けて検討を行う。
まず、衛星データや地形データを効果的に学習させる。特に衛星データは非常に莫大なデータであり、使用するデータによって明らかとなる物理量も異なる。そのため、
適切にデータを処理し効率的にモデルに学習させることで、より多くのデータから降水を学習できるものと考えられ、現在は大気の低層の水蒸気量や、雲頂高度などを学習に用いることを検討している。
また、モデルの学習手法も検討する。豪雨と通常の降水とで学習モデルを分けてみるなど、根本的な所から研究を見直し、更なる精度向上を検討する。

報告書

(1件)
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Deep Learning Short-term Heavy Rainfall Forecasting Using Pseudo Data2022

    • 著者名/発表者名
      Ryo Kaneko
    • 学会等名
      AGU Fall Meeting 2022
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] AIと予測する豪雨災害2022

    • 著者名/発表者名
      金子 凌
    • 学会等名
      第4回復興デザイン会議全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2021-05-27   更新日: 2024-12-25  

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