研究課題/領域番号 |
22KJ0547
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補助金の研究課題番号 |
21J20199 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
曽根 和樹 (2021, 2023) 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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特別研究員 |
曽根 和樹 (2022) 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2021年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | トポロジカル絶縁体 / アクティブマター / 非エルミート / 非線型 / トポロジー / 同期現象 / 非線形 / メタマテリアル |
研究開始時の研究の概要 |
物質のトポロジーは、外乱に対し頑強な新奇物性を実現するための指導原理として多くの注目を集めている。従来トポロジーは線形・エルミートな方程式に従う電子系で研究されていたが、近年では光学系、流体など幅広い系でその役割が議論されている。本研究では、このようなトポロジーに由来する現象をアクティブマターと呼ばれる自己駆動粒子(たとえば動物など)の集団において探求する。その解析を通じ、非線形、非エルミート性を持つアクティブな系一般におけるトポロジーの基本原理の解明も目指す。さらに、物質や人工系の安定かつ効率的な制御法を開発するといった応用を見据えて、実験系の提案を行う。
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研究実績の概要 |
最終年度となる本年度では、アクティブマターに代表されるような非線形な系におけるトポロジカル現象の基本原理の解明に向けた研究を行った。特に、2次元非線形系を特徴づけるトポロジカル指数として線形系で知られているチャーン数の拡張を提案し、そのバルクエッジ対応、即ち非ゼロな非線形チャーン数と局在状態の存在の間の対応を示した。このチャーン数は、従来、線形系で議論されてきたバンド構造や固有値問題の非線形拡張に基づいて定義される。特に、非線形系特有の現象として、非線形波動の振幅の変化によってトポロジーが変わる非線形性誘起トポロジカル相転移が起こることをモデル計算から確認し、そのトポロジカル相転移が非線形チャーン数によって捉えられることを示した。 さらに、非線形トポロジカル絶縁体のモデルにおけるゼロ固有値状態を詳細に解析することで、トポロジカルな局在状態から空間カオスな状態へも変化することを示した。このようなカオス転移は非線形系におけるバルクエッジ対応の破れを引き起こす。この結果は、従来トポロジカル物質で信じられてきたバルクエッジ対応の反例を与える結果であるとともに、非線形物理における典型的な現象であるカオスがトポロジカル物性という全く異なる分野につながっていることを示す結果でもある。これらの成果についてまとめた論文を執筆、公表した。 研究機関全体を通じて、アクティブマターに備わっている非線形性や動的不安定性がトポロジカル現象にもたらす影響を明らかにしてきた。特に、非線形性の下でトポロジカルな性質を議論するための基本原理(バルクエッジ対応など)を明らかにした。これらの成果は生物に代表されるアクティブな系をトポロジーの観点から制御するための指導原理を与えることで、今後の工学などの発展につながる成果と言える。
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