研究課題/領域番号 |
22KJ0594
|
補助金の研究課題番号 |
21J20847 (2021-2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桑原 嵩佳 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 脳 / 神経細胞 / 進化 / ハチ / トランスクリプトーム解析 / 種間比較 |
研究開始時の研究の概要 |
ハチ目昆虫では、寄生性や営巣性といった行動様式の獲得と相関して、昆虫脳の高次中枢キノコ体を構成するケニヨン細胞のサブタイプの増加が起きたことが明らかになっている。一方、営巣性を獲得した後にも一部の種群で、真社会性やミツバチのダンスコミュニケーションといった高度な行動が獲得されているが、これに伴い増加した細胞タイプは知られていない。本研究では、原始的なハチ目昆虫ハバチに神経行動学を適用することで得られたハチ目昆虫の脳進化モデルを基に、scRNA-Seq解析の導入によりミツバチにおいて初めて網羅的なケニヨン細胞タイプの同定を行い、種間比較を行うことで、社会性やダンス言語を司る脳神経基盤を探索する。
|
研究実績の概要 |
新たに公開されたカースト・齢差分業ごとのミツバチ脳single cell-RNA seqデータを解析し、ミツバチの3種類のケニヨン細胞サブタイプの各々に選択的に発現する遺伝子リストを作成し直した。これらをハバチのキノコ体に選択的に発現する遺伝子リストと比較した結果、育児蜂、採餌蜂、女王蜂いずれのデータを用いた場合にも同様の結果が得られ、細胞の進化モデルである機能分離と機能分岐がより強固に示唆された。また、これらの研究成果をまとめた論文が本年度に受理された。 ダンス言語の関連細胞種候補の同定および、ハチ目昆虫の社会性進化に貢献した脳神経基盤を探索する目的で、ミツバチおよびマルハナバチのキノコ体構成細胞のsingle cell-RNA seq比較解析をすでに実施した。現在これに加えてハキリバチの一種であるマメコバチを比較に加えるために、本種のゲノム解読を実施中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ミツバチとハバチの比較解析の結果を論文としてまとめたため。 ミツバチとマルハナバチのsingle cell-RNA seq比較解析により、ミツバチ固有な細胞集団の候補を見出せたため。 マメコバチのゲノム解読も順調に進行中なため。
|
今後の研究の推進方策 |
ミツバチ、マルハナバチ、マメコバチの3種のキノコ体single cell-RNA seq比較解析および機能解析を行い、ダンス言語の関連細胞種候補の同定および、ハチ目昆虫の社会性進化に貢献した脳神経基盤を探索する。
|