研究課題/領域番号 |
22KJ0639
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補助金の研究課題番号 |
21J21565 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
板尾 健司 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2023年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2022年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2021年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 文化進化 / 複雑系科学 / 統計物理学 / 親族構造 / 贈与 / 文化進化論 / 文化人類学 / 複雑系理論 / 多階層進化 / 数理シミュレーション / 複雑系 / 歴史学 |
研究開始時の研究の概要 |
世界各地の人間社会で広く観察されるような社会構造について、それらが人々の相互作用からいかにして生まれるのかという観点から分析する。人々の相互作用についての文化人類学や経済史の知見から数理モデルを構築し、現実に観察された社会構造の対応物がモデル上で生成される過程を実演することで、それらが生まれるためのメカニズムや条件を明らかにする。本研究では特に、婚姻関係に基づく親族構造の進化、親子の同居・兄弟姉妹間の遺産分割に基づく家族形態の進化、贈与による社会組織の進化を取り扱い、社会科学に対し、数理・進化的研究独自の貢献をすることを目指す。
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研究実績の概要 |
親族構造の進化についてと、贈与による社会組織の遷移についての研究をさらに進めて、新たに論文を執筆した。さらに人口転換についても新たに研究に着手し、論文を執筆した。これらの成果についていくつかの学会で発表した。 親族構造の進化、贈与による社会組織の遷移のそれぞれについて、過去二年間に構築したモデルをミニマルな表現に修正し、それぞれのダイナミクスを生む本質的なメカニズムを明らかにした。そこにおいて、親族構造については、婚姻がもたらす連帯と対立の効果及び、集団サイズと文化的な変異率に依存して、進化するクランの数や構造の特徴に違いが生まれることがわかった。また、贈与については贈与の規模と頻度の積に依存して、社会組織が血縁関係に基づくバンド、同胞意識により連帯する部族、社会階層分化が進んだ首長制社会、安定的な王室を持つ王国の順に遷移することが明らかになった。 人口転換、すなわち近代の出生率低下についての研究も行った。国連データを用いて、195カ国の直近200年間の粗出生率(人口千人あたり出生数)と平均寿命の間の関係を調べた。すると、各国における両指標の変動に関して国や年代を問わず成立する二つの普遍的な関係があることがわかった。これは人口転換における二つの普遍的な相の存在を示唆している。ついで、親による子供への投資について、出産と教育の間にトレードオフがあることに注目して簡単なモデルを構築した。その解析により、二つの相の由来を明らかにした。 これらの成果は過去三年間で行った研究を総括するものであり、上記の研究は、統計物理学や複雑系科学、そして多階層進化モデルに基づく数理的観点により、新たな社会進化のメカニズムを提案し、社会科学に対して新しい歴史観を提案すると同時に、数理的な研究の分野についても新しい現象のクラスとそれを生むメカニズムを示すものである。
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