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がん特異的酵素活性・細胞内滞留性制御法に基づく革新的BNCT薬剤の創製

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0664
補助金の研究課題番号 21J22064 (2021-2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2021-2022)
応募区分国内
審査区分 小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
研究機関東京大学

研究代表者

常冨 純矢  東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワードホウ素中性子捕捉療法 / がん / プロドラッグ / キノンメチドケミストリー / がん特異的酵素活性 / ケミカルプローブ / バイオマーカー / ケミカルバイオロジー / 創薬 / バイオマーカー酵素活性 / 小分子薬剤
研究開始時の研究の概要

BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)は、中性子とホウ素の核反応を利用したがん放射線療法であり、腫瘍細胞を高選択的に殺傷できることから「第5のがん治療法」として注目されている。本治療法の魅力を引き出すためには、高い腫瘍選択性を以て高濃度のホウ素を腫瘍細胞に蓄積させるBNCT薬剤の存在が不可欠である。唯一の既存BNCT薬剤であるBPAは、①LAT1発現が低い腫瘍では蓄積が不十分であり、また②時間経過に伴い細胞外へ徐々に漏出する、といった課題を抱える。そこで本研究では、新しいがんバイオマーカーを標的とし、細胞内に長時間滞留する新しい仕組みを有する革新的BNCT薬剤の開発を目指す。

研究実績の概要

前年度までに、食道がん部位などで活性亢進が見られるジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)を標的としたキノンメチド型BNCTプローブEP-4OCB-FMAの開発に成功している。本薬剤を用いて、京都大学研究用原子炉(KUR)でBNCTを実施した結果、DPP-4高発現細胞株であるH226細胞ならびにCaco-2細胞でDPP-4活性依存的な高い細胞殺傷能を実現した。さらに、DPP-4高発現株であるH226細胞を皮下移植して作製した担癌モデルマウスに対し、本薬剤を腫瘍内投与して2.5時間後に中性子線を照射してBNCTを実施したところ、薬剤投与群で顕著な体重減少はなく、腫瘍の増大抑制を確認することができていた。
そこで今年度は、まず上述のマウス実験の治療効果における更なる評価として、薬剤投与から中性子照射までの時間を24時間へと延長して同様の実験を行った。その結果、24時間後に照射した場合においても、薬剤投与群で十分なBNCT治療効果を確認することができた。このことは、EP-4OCB-FMAが投与後24時間の時点でも十分なホウ素濃度を維持しているという前年度の実験結果と矛盾しないものであり、投与後長時間経過後でもBNCTを実施可能であることが示唆された。
加えて、EP-4OCB-FMAの全身投与を目指すべく、薬剤の投与形態・in vivo体内動態について種々の検討を行った。その結果、本薬剤は血中滞留性に乏しいことが課題として明らかとなったため、血中半減期を延長するような仕組みとして、薬剤をアルブミンに結合させるなどの試みを複数行った。今後更なる最適化の必要性が示唆されたが、新たな薬剤開発に繋がる知見が複数得られており、新規BNCT薬剤の実現に向けて非常に大きな進展を与えるものと考えられる。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 学会発表 (10件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [学会発表] 腫瘍細胞特異的酵素活性を活用した新規低分子BNCT薬剤の開発2023

    • 著者名/発表者名
      常冨純矢、鈴木実、神谷真子、浦野泰照
    • 学会等名
      日本ケミカルバイオロジー学会 第17回年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 腫瘍細胞特異的酵素活性を活用した新規低分子BNCT薬剤の開発2023

    • 著者名/発表者名
      常冨純矢、鈴木実、神谷真子、浦野泰照
    • 学会等名
      第22回東京大学生命科学シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 腫瘍細胞特異的酵素活性を活用した新規低分子 BNCT 薬剤の開発2023

    • 著者名/発表者名
      常冨純矢、鈴木実、神谷真子、浦野泰照
    • 学会等名
      第19回日本中性子捕捉療法学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 腫瘍細胞特異的酵素活性を活用した新規低分子BNCT薬剤の開発2023

    • 著者名/発表者名
      常冨純矢、鈴木実、神谷真子、浦野泰照
    • 学会等名
      第55回若手ペプチド夏の勉強会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 腫瘍細胞特異的酵素活性を活用した新規低分子BNCT薬剤の開発2023

    • 著者名/発表者名
      常冨純矢、鈴木実、神谷真子、浦野泰照
    • 学会等名
      第17回バイオ関連化学シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 1細胞レベル分解能で酵素高活性細胞のみをアルキン標識可能な機能性プローブの開発2023

    • 著者名/発表者名
      常冨純矢、浦野泰照
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 1細胞レベルで酵素高活性細胞のみをアルキン標識可能な機能性プローブの開発2022

    • 著者名/発表者名
      常冨純矢、浦野泰照
    • 学会等名
      日本ケミカルバイオロジー学会 16回年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 個別化医療を指向したがん特異的酵素活性標的小分子BNCT薬剤の開発2022

    • 著者名/発表者名
      常冨純矢、神谷真子、浦野泰照
    • 学会等名
      日本薬学会第142年会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] キノンメチドケミストリーを利用した細胞内滞留型小分子BNCT薬剤の開発2021

    • 著者名/発表者名
      常冨純矢、神谷真子、浦野泰照
    • 学会等名
      第17回日本中性子捕捉療法学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] キノンメチドケミストリーを応用した 細胞内滞留型小分子BNCT 薬剤の開発2021

    • 著者名/発表者名
      常冨純矢、神谷真子、浦野泰照
    • 学会等名
      第53回若手ペプチド夏の勉強会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [産業財産権] ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)プローブ2022

    • 発明者名
      浦野泰照、神谷真子、常冨純矢
    • 権利者名
      国立大学法人東京大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 出願年月日
      2022
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 外国

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公開日: 2021-05-27   更新日: 2024-12-25  

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