研究課題/領域番号 |
22KJ0693
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補助金の研究課題番号 |
21J22563 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
五三 裕太 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 川づくり / 場所論 / アンケート / 河道形状変化 / 河川地形 / 市街地立地 / 水辺再生 / 日欧比較 / 河川文化アプローチ / かわまちづくり / 参加型プロセス / 環境認識 / 河道形態 / 土砂輸送プロセス / 国際比較 / 流域治水 / 地域形成史 |
研究開始時の研究の概要 |
水害の激甚化や河川環境の悪化等の課題解決には、河川管理と地域再生の連携による水系基盤システムデザインへの多主体の参画と地域の河川利用の再生・継承が重要である。この課題意識と近い日本の施策に「かわまちづくり」があるが、歴史経緯の影響を含めた計画論の蓄積は十分でない。本研究の目的は、かわまちづくり計画におけるⅠ.河川利用主体の参画の特徴とII.流域治水と地域再生に関する行政施策の連動の実態、および背景にあるIII.自然環境特性と計画の歴史経緯の影響を整理し、日本における潜在的課題を明らかにした上で、国際的な先進事例比較を通じ、地域特性を継承する水系基盤システムデザインのあり方を提案することである。
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研究実績の概要 |
2023年度は、ヨーロッパでの在外研究をおこないながら、昨年度までの研究成果に関する精度向上・発表および日本国内の80都市および西ヨーロッパ地域の30都市を対象とした歴史的な中心市街地立地特性の分析をおこない、それらを取りまとめて博士論文の執筆をおこなった。 昨年度研究成果については、愛知県岡崎市および静岡県伊豆半島で実施してきた調査の結果について、ドイツ・オランダの地理学(ランドスケープ科学)・河川学の専門家との個別議論を通じて考察を深め、それぞれ国際学会にて発表をおこなった。 日本および西ヨーロッパ地域の都市を対象とした分析は、地図資料の収集および在外研究を通じた現地調査によっておこなった。歴史的な中心市街地の立地に着目をしたのは、昨年度の愛知県岡崎市における調査の結果、中心市街地と河川との地理的関係性が人間集団の川に対する意識を規定する要因であるとわかったためである。研究の結果として、歴史的な中心市街地立地のパターンを河川との関係性によって3つにパターン化した。特に西ヨーロッパ地域では、各パターンで水辺再生の取り組みの内容に差がみられた。また日本の都市に着目すると、川の地形条件と市街地立地パターンとの対応関係が確認できた。 以上の成果は、川に対する人間集団の意識に関するミクロな特徴と、治水や利水のあり方に大きく関わるマクロな地理的骨格との関係性を示すものであり、両者を包括するスケール横断的な水系基盤システムデザインの実践において参考とすべき枠組みを提供するものと考えられる。
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