研究課題/領域番号 |
22KJ0698
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補助金の研究課題番号 |
21J22920 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山岸 純平 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2021年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 生態系 / 代謝系 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、微生物やガン細胞などの細胞集団の構造と代謝挙動の予測および制御を可能とする一般理論の構築を目指す。そのために、微生物生態系および代謝系という異なる空間時間スケールにまたがる生命現象について、理論物理学および数理経済学の視点から考察を行う。たとえば、細胞内代謝系の制御にミクロ経済学の理論を適用することで、栄養状態の変動や薬剤投与への代謝応答を操作的かつ定量的に記述するマクロ現象論(“代謝経済学”)を得ることができる。
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研究実績の概要 |
2021年度は、リモートワーク(自宅での作業、オンラインでの議論や発表)を主として、2つのテーマについての研究活動を進めた。いずれにおいても、数値計算では主にC/C++、Python、Mathematicaなどを使用し、研究(II)では代謝系のデータベースなども参照した。 ・研究(I)「微生物生態系の構造や安定性についての力学系理論および統計物理学の視点からの研究」 英語論文や日本語の依頼記事が出版され、国際学会でのオンライン口頭発表を行った。また、微生物生態系の定常状態における摂動応答の理論の構築にも取り組み、得られた結果を取りまとめて日本物理学会での口頭発表を行った。これは、「化学反応-細胞-生態系」という3階層のダイナミクスからなる力学系モデルに対して線形安定性解析(Jacobi行列の解析)や主成分分析などを数値的および解析的に適用することで、生態系における複数細胞種の共存や適応・進化の帰結としてその定常状態が有する構造や生態系全体の摂動応答と各細胞の摂動応答との関係を明らかにするための研究である。 ・研究(II)「細胞内代謝系の制御について経済学および熱力学の視点から」 細胞の代謝制御をミクロ経済学の立場から捉える「代謝経済学」と名付けた新規な理論についての英語論文が出版された。また、その理論を一般化するとともに、解析計算から得られた「質的に異なる摂動応答について、任意の代謝反応ネットワークにおいて普遍的に成り立つ関係式」の有効性を大自由度の代謝反応ネットワーク(E. Coli Coreモデル)の数値計算を通して確かめた。得られた結果について日本物理学会などでの口頭発表を行い、英語論文の執筆を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・研究(I)「微生物生態系の構造や安定性についての力学系理論および統計物理学の視点からの研究」 当初の計画通り、微生物生態系における代謝物のやりとりを介した共存について、英語論文や日本語の依頼記事が出版され、国際学会でのオンライン口頭発表を行えた。また、それらの結果を踏まえ、微生物生態系の定常状態における摂動応答の理論の構築にも取り組み、得られた結果を取りまとめて日本物理学会での口頭発表も行った。
・研究(II)「細胞内代謝系の制御について経済学および熱力学の視点から」 当初の計画よりは少しだけ遅くなってしまったが、Warburg効果とGiffen財の数理対応をもとに両者の原理と新たな予言を明らかにするという研究結果をまとめた英語論文が無事出版された。さらに、その一般化についても成果を得ることができ、その結果の発表および筆頭著者としての英語論文執筆を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、微生物生態系の構造や安定性について、力学系理論および統計物理学の視点からの研究を進めていく。より具体的には、「化学反応-細胞-生態系」という3階層のダイナミクスからなる力学系モデルに対して線形安定性解析(Jacobi行列の解析)や主成分分析などを数値的および解析的に適用することで、生態系における複数細胞種の共存や適応・進化の帰結としてその定常状態が有する構造や生態系全体の摂動応答と各細胞の摂動応答との関係を明らかにする。
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