研究課題/領域番号 |
22KJ0701
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補助金の研究課題番号 |
21J23067 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 航 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | マングローブ / ブルーカーボン / 全溶存無機炭素 / 全アルカリ度 / CO2 / CO2フラックス / 無機炭素動態 / 緩衝機能 / 炭素循環 / 渦相関法 / 硫化物・栄養塩フラックス / 地下水・間隙水流出 |
研究開始時の研究の概要 |
マングローブをはじめとするブルーカーボン生態系は大気CO2の吸収源であり,土壌内部に炭素を貯留するため,気候変動の緩和策としての活用が期待されている.近年では,土壌内部で無機化され水域へ流出した炭素も長期的に海洋に留まることが予想されるため,新たな吸収源として注目を浴びている.本研究では,石垣島の吹通川マングローブ林を対象に,土壌有機物が無機化され再び水域へ流出する地球科学的な過程を解明する.また,地理特性の異なる西表島由布島対岸でのマングローブ林でも比較となる調査を実施し,感潮河川沿いにと前浜干潟に形成するマングローブ林では水域への無機炭素の流出過程が大きく異なることについても明らかにする.
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研究実績の概要 |
本研究はインド太平洋地域の分布北限域に位置する日本のマングローブ林を対象に、海洋との相互作用により駆動される炭素循環、特に溶存無機炭素(DIC)としての海洋への輸送と水域から大気に排出されるCO2フラックスに着目して研究を実施した。 2023年度は、干潮時には干潟により海域と分断される特徴を持つ西表島由布島対岸のマングローブ林を対象に、マングローブ林から海洋へのDICの流出特性を明らかにするための調査を実施した。マングローブ林前面の水中CO2分圧は大潮時には潮汐に対応し半日周期での変動を示したが、大潮から小潮に進むにつれて徐々に潮汐の影響が弱まり、小潮時には昼夜に対応した変動を示した。また、水域から大気へのCO2フラックスは世界のマングローブ水域の平均値と比較し1/4程度であった。これは小潮時には干潟での光合成により水中CO2分圧の増加が抑制されたと考えられ、マングローブ前面の干潟はDICの海洋への貯留を促進する緩衝地帯としての役割を持つことが示唆された。また、マングローブ林の形成立地と水域へTA、DIC、CO2の流出特性の関係を明らかにするために、西表島石垣島の8つのマングローブ水域において半日間の調査を実施したところ、石垣島のマングローブの林において土壌からの炭酸物質の溶出が顕著に多いことが確認された。 2021年度と2022年度の石垣島吹通川マングローブ林での調査結果と2023年度の結果から日本のマングローブ林から海洋への全アルカリ度(TA)とDICの輸送量の平均値は180±107 mmol/m2/日、203±102 mmol/m2/日であり、DIC/TA輸送量比は1.23±0.31であった。これは日本のマングローブ林は世界的に見ても海洋へのTA,DICの輸送量が多く,輸送されたDIC多くが海洋に貯留される可能性を示唆する結果となった。
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