研究課題/領域番号 |
22KJ0707
|
補助金の研究課題番号 |
21J23626 (2021-2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邉 史朗 (2021, 2023) 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
特別研究員 |
渡邉 史朗 (2022) 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 水晶振動子 / 力センサ / 周波数検出回路 / 粘弾性 / 高速サンプリング / 粘性計測 / 水晶振動式力センサ / オルガノイド / ヤング率推定 / 大変形モデル / 硬さ計測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,オルガノイドのハイスループットスクリーニングを目的として,水晶振動式力線プローブを用いたオルガノイド硬さ計測を行う.脂肪肝を再現した肝臓のオルガノイドは,高いヤング率を示すことから,その機械的特徴量計測が注目を浴びている.従来,原子間力顕微鏡などで課題となっていたスループットの低さや系の統合の難しさなどを,高剛性かつワイドレンジな水晶振動式力センサによって解決することを目指す.水晶振動子を応用して高分解能なセンサプローブを作製するとともに,高いサンプリングで計測可能なプローブを作製し,ハイスループットかつシステムインテグレーションに適した系を実現する.
|
研究実績の概要 |
当該特別研究員は,令和5年度は水晶振動子の周波数検出技術の開拓及びそれを応用した粘弾性計測に取り組んだ.水晶振動子力センサのサンプリングレート改善のために考案されたPhase-locked Loop(PLL)統合型水晶振動子力センサは,センサの周波数出力を入力とし,PLL内部の発振器を入力信号と同調させるための制御電圧を出力とすることで, サンプリングレートを従来の100 Hzから1 kHzへと大きく向上させている. 応用として実施した粘弾性計測では,プローブを振動させて対象のオルガノイドを変形させ,その際のプローブの変位と計測された反力より,動的弾性率の評価を行った.水晶振動子力センサの高い剛性により,周囲環境や計測対象からの反力による変形を小さくし,動的な入力を加えることが可能となり,かつ高速サンプリングによって50 Hzまでの周波数応答評価が実現した.オルガノイド全体を変形させた評価は,表面の微小範囲を走査する従来手法に比べ高速に計測が行えるほか,組織構造による影響を含めて計測が可能である点で,3次元的な構造を有するオルガノイド,スフェロイドといった組織体評価での活躍が期待できる. 当該特別研究員は,採用課題「水晶振動子センサプローブによる肝オルガノイドのハイスループットスクリーニング」に対し,採用期間中に,剛性と分解能を両立したカンチレバー型センサプローブ,サンプリング高速化を行うPLL統合型周波数検出回路を実現し,これらを組み合わせることでオルガノイドの粘弾性評価が可能な計測デバイスを提案した.そして,本研究課題を通して,複雑化する組織体の評価を可能にした,再生医療分野や創薬に対する応用としての貢献と,サンプリングレート高速化による水晶振動子力センサの基盤技術開発としての貢献をしめしている.
|