研究課題/領域番号 |
22KJ0730
|
補助金の研究課題番号 |
22J00495 (2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 慧 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 銀河進化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、最新かつ最大の多波長データと様々な望遠鏡での追観測・アーカイブデータによる遠方宇宙の調査を通して、宇宙の初期において銀河がどのように環境から影響を受け始めたのかを解明することを目的とする。まずHSC-SSPに基づく史上最大の高品質画像データをもとに銀河のサイズ測定を行い、銀河の性質の環境依存性が生じた原因を探る。加えて、これまで未発見の星形成を終えようとしている銀河で構成された原始銀河団の探査を最新の多波長カタログから行う。最後にそれらの領域の追観測をもとに宇宙初期の原始銀河団が現在の銀河団へどのように成長したのか明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本年度は、研究実施計画で掲げていた「星形成を終えようとしている静かな銀河による原始銀河団探査」について重点的に取り組んだ。まず、2022年4月には採用以前にCOSMOS2020と呼ばれる最新のカタログ(Weaver et al. 2022, ApJS, 258, 11)をもとに選択した星形成を終えようとしている静かな銀河による原始銀河団の候補に対してKeck望遠鏡の近赤外分光装置MOSFIREによる追観測を行った。その初期成果をもとに論文にまとめるため、また今後の研究方針を議論するため、共同研究者が多く所属するデンマークのCosmic DAWN Centerに8月から9月にかけて本特別研究員奨励費を活用して滞在した。滞在中には観測提案書を複数執筆し、別の研究を開始した。結果、原始銀河団を1領域新たに発見することに成功し、2023年1月にAstrophysical Journal Letter誌に論文を出版し報告した (Ito et al. 2023, ApJL, 945, L9) 。 また、研究計画に挙げていたもう一つのテーマである、「銀河のサイズにおける環境依存性と環境効果が生じた原因の調査」に関しては、すばる望遠鏡のHSC-SSPデータ中の銀河に対してサイズ測定を行った。 これらの研究成果や以前の成果を元に、2022年度は国際学会における発表を4件 (内招待講演が1件)、国内学会における発表を1件行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に掲げていたテーマの一つである、星形成を終えようとしている静かな銀河による原始銀河団探査については2022年度に候補天体に対して追観測をKeck望遠鏡 MOSFIREで予定通り行うことができ、1領域を発見することに成功した。この結果を論文化することもできた(Ito et al. 2023, ApJL, 945, L9)。また、もう一つの課題である「銀河のサイズにおける環境依存性と環境効果が生じた原因の調査」に関しても結果の検証等を行う必要はあるが、サイズ測定自体は終了している。以上よりおおむね順調に進展していると言えると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は、発見した原始銀河団中の星形成を終えようとしている静かな銀河がいつ質量を獲得したのか、どのくらいの大きさなのか、などを明らかにすることで原始銀河団の形成と進化を辿っていきたい。また、HSC-SSP銀河のサイズ測定をもとに銀河のサイズにおける環境依存性を明らかにしていきたい。
|