研究課題/領域番号 |
22KJ0732
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補助金の研究課題番号 |
22J00527 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
劉 玲芳 東京大学, 東洋文化研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 婚礼衣裳 / 流行 / 変容 / 百貨店 / 近代 / 花嫁衣裳 / 伝統 / ベール / 黒地の婚礼衣裳 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の服装研究分野においては、「自己」の視点から自国の服装を研究する、つまり単眼的な研究が主流である。しかし、単眼的な服装研究には限界があり、東アジアにおける近代化のダイナミズムを見過ごしてしまうという傾向がある。本研究は、グローバルな視点を利用することによって、服飾文化研究において東アジア、ヨーロッパ・アメリカ地域横断的な総合研究として先駆的な役割を担うものと位置づけられる。服装という切り口を通して、同じ東アジアにある日本と中国の西洋化過程に現れた差異および特性をうかびあがらせることによって、近代東アジアにおける服装史の新たなイメージを構築することができる。
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研究実績の概要 |
本年度は、日本における儀礼服(婚礼衣裳)を中心にその変化と変遷過程を明らかにした。研究成果として、2本の査読付きの学術論文を執筆した。論文1「近代日本の婚礼衣裳における流行と変容―花嫁の髪型・式服をめぐって―」(『東洋文化研究所紀要』東京大学東洋文化研究所、第185号、pp.465-496、2024年3月)では、主に花嫁の髪型と式服に焦点を当て、近代の婚礼衣裳においてどのような変化が生じたのかを具体的に考察し、その流行と変容の実態を明らかにした。論文2「大正・昭和初期における黒地婚礼衣裳の流行―百貨店との関わりを中心に―」(『間谷論集』第18号、pp.17-38、2024年3月)では、大正時代から昭和初期にかけての黒地の婚礼衣裳の流行に焦点を当て、その実態と変遷過程を明らかにした。さらに、黒地の婚礼衣裳が流行した経緯において、呉服屋系百貨店がどのように関与していたかについても考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究における儀礼服に関する文献の整理、そして、膨大な一次資料の収集や分析作業には、予定よりも多くの時間が費やされた。その結果、2本の論文が執筆され、また2つの口頭発表が行われた。 現在、「服装改良」に関する研究は進行中であり、その結果はまだ得られていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後、研究計画書通りに、日中両国の新聞・雑誌記事および華僑史料、風俗文化、服装関連の文献資料を詳細に読み解き、東アジアの服飾文化における洋風化の発端を探しながら、その変容過程の実態を明らかにする。また、東アジアにおける伝統服への改良の実態や男女間の洋装化の差異を比較する予定である。
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