研究課題/領域番号 |
22KJ0733
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補助金の研究課題番号 |
22J00535 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長川 遥輝 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 光触媒 / 水素製造 / 金属ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
光触媒を用いた水素製造は、太陽光のエネルギーによって反応が進行することから、持続可能なプロセスとして注目されている。本研究では、光電気化学的に光触媒の形態を加工することで、ナノスケールで3次元的に制御された光触媒材料の開発を行う。具体的には、光触媒の欠陥、結晶面、吸収波長の違いや、担持金属のプラズモン共鳴等を活用し、光触媒の形態制御を目指す。これにより、水分解や有機性廃棄物の分解および改質を伴った水素製造に適した特性を発現させ、従来よりも高活性の反応系を確立する。
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研究実績の概要 |
本年度の研究では、複合体のベース材料となる光触媒と、電子メディエーターや助触媒として作用する金属ナノ粒子の作製方法について検討を行った。 光触媒の検討では、可視光応答性を持つ材料として注目されている硫化物光触媒に着目した。高活性の光触媒材料に求められる要素として、結晶性が挙げられる。従来、結晶性の高い硫化物光触媒の合成では、真空雰囲気や硫化水素流通下での熱処理が必要であった。今回我々は、溶融塩中での熱処理を用いることで、真空・硫化水素雰囲気なしで、結晶性の高い硫化物光触媒を合成することに成功した。合成した光触媒は、従来法で作製した光触媒に比べて、結晶欠陥が少ないことが明らかになった。さらに、作製した材料を用いて水素生成活性を評価すると、本研究で得られた光触媒がより高い活性を示すことがわかった。これは、欠陥量が減少し、再結合による失活が抑制されたためであると考えられる。次年度以降では、本手法を活用して高結晶性光触媒を調製し、複合体のベース材料として用いることが可能である。 また、金属ナノ粒子の検討では、光触媒上への新たな担持方法について研究を行った。従来は、光触媒上に金属ナノ粒子を担持する際、光触媒反応によって金属イオンを還元する光析出法がよく用いられていた。しかしながら、光析出法では、光照射によって励起した場所で反応が駆動するため、金属ナノ粒子の析出にムラがある場合があった。本研究では、新たに、光触媒表面に存在する電子トラップを活用することを検討した。具体的には、金属イオンを添加する前に光照射を行い、電子をトラップさせた状態で、金属イオンを添加した。この場合、還元反応は電子トラップに対応した場所で進行するため、均一な担持が可能になる。次年度以降では、本手法を活用した、金属ナノ粒子の導入が可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目標である、ナノスケールで制御した複合光触媒の合成において、ベースとなる光触媒材料の活性や、粒子形態は非常に重要である。また、メディエーターとして用いる金属ナノ粒子の析出状態も最終的な複合体の特性に大きく影響を与える。本年度開発した光触媒作製法や、金属ナノ粒子担持法は、従来法に比べて優れた特徴を持つ。したがって、次年度以降の複合体合成において、有効な手法として利用ができるため、おおむね順調という評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の研究では、初年度に開発した光触媒材料に対して、金属ナノ粒子の担持を行う。その際、どのような金属種が担持可能で、安定なのか明らかにする。また、担持した金属ナノ粒子上に、新たな光触媒を析出させることが、最終目的であるため、複合予定の光触媒の組成に含まれる金属種のさらなる複合を試みる。具体的には、Cd,Cu,Ag,Bi,Au,Pt等の金属種で検討を行う予定である。 最終年度では、上記手法で複合した光触媒材料を、水分解反応および光改質反応に活用する。特に、光改質反応では、リグノセルロースやプラスチックの分解に対する活性を評価する。その際、改質対象の種類によって、求められる光触媒の酸化還元力が異なるため、複合体の最適化を行い、従来よりも高効率な反応系の確立を目指す。
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